2023/09/04

【大学受験】意外な漢文の重要性と勉強法

大学受験に向けて勉強を頑張っている皆さん、お疲れ様です!

今回の記事では「漢文」について扱います。漢文といえば、共通テストでしか使わないという受験生の方も一定数いると思います。それゆえ、「共通テストでしか使わないのに、そんなにしっかり勉強する必要あるの?」と考えている方もいるかもしれませんが、実は漢文を極めることで一気に合格に近づく可能性があるのです!また高1・2生の中には、「まず漢文ってどう勉強すればいいの?」という疑問を持つ方も多いでしょう。些末なようで意外と重要な漢文とその勉強法について、この記事で学習していきましょう!

〇意外と超重要!?漢文を勉強するメリット


高校生の皆さんにとって、漢文とはどのような教科でしょうか。共通テストでも他の科目よりも配点が低いうえ、人によっては二次試験で使わないことも多いでしょう。それゆえ漢文は多くの高校生があまり重きを置かないところであり、入試の数週間前まで手を付けない人も少なくありません。しかし皆さん、漢文を勉強する本当の意味を理解していますか?2024年度までの共通テスト国語は、80分で現代文2題と古文、漢文を1題ずつ解くという形式で、2025年度からの共通テスト国語は90分で、現代文3題で110点、古文漢文で90点の計200点という形式をとっています。単純に考えれば、2024年度までの共通テスト国語から1題に20分ずつ、2025年度以降の共通テスト国語なら単純計算1題に18分ずつかけて解くのが基本です。ここで各題とそれにかかる回答時間について考えると、現代文はその分量と難易度からも20分程度で完答するのが良いでしょう。一方で古文は苦手意識を持つ高校生が多く、20分で解けきれれば上々で30分以上かけてしまうという人もしばしばいます。となると、漢文を解くのに20分以上かけてしまうと、まず時間内に解けきれないケースが多々あります。そのため、漢文をしっかり仕上げることは、他の大問の得点にもつながる、とても重要なことなのです。漢文を早く解ききって浮いた時間を使えば、他の大問からさらに得点を重ねることができます。

〇そんな超重要な漢文を伸ばすには?


 漢文の勉強法って何なの?という疑問を持つ高校生は大変多いです。その理由は受験勉強における漢文自体の優先度の低さもありますが、句法や単語などの暗記要素が目立って演習をおろそかにする方が多いことも要因です。これらを踏まえ、漢文の点を効率よく伸ばすための勉強法について教えましょう。

1・2生のあいだは句法、単語を極めるべし!

 漢文の肝、それは句法と単語です。単語は漢字からある程度意味を推測できるとはいえ、これらがないとまず文章を読むことすらままなりません。特に共通テストでは句法の意味を問う問題が毎年出題されていますから、時間短縮のためにもこの類の問題は見てすぐに答えがわかるようにしておきたいですよね。これらの基礎的要素は、問題演習が本格化する高3生になるまでに極めておけば受験における大きなアドバンテージになること間違いなし。また苦手な人の多い古文の句法は漢文のものと重複するところもあるため、漢文を学ぶついでに古文の理解を深めることもできます。高1・2生の皆さんは高3生までに周りと差をつけるために絶対に勉強しておきましょう。

高3生は演習に全てをささげるべし!

 受験学年である高3生、やるべきことは問題演習ただ一つです。漢文の肝は句法と単語であると前述しましたが、それだけで問題をすらすら解けるほど漢文はやさしくありません。現代とは異なる君臣関係、文化、思想などをしっかり理解しておかないと、解釈を間違えて大量失点...なんてこともあり得ます。このような当時ならではの要素を理解するには、実際に文章を読み解いてみて肌で感じてみることが一番です。物語の流れや舞台設定、あるいは登場人物の言動などからも、書かれた当時の文化的背景を学ぶことができます。高3生は昔の異国ならではの世界観を理解し、漢文に慣れることに一年を費やすよう努力しましょう

故事成語の理解を深めるべし!

 前述の勉強法に比べ優先度は低いですが、これもまた漢文の理解を深めつつ、さらに楽しく学習できる方法の一つです。故事成語の多くは古代中国が由来であり、その成り立ちや由来には当時の中国の性質が色濃く表れています。たとえば「朝三暮四」は春秋時代に存在した宋の国の話が、「四面楚歌」は垓下の戦いにおける楚国の人物の話がもとになっています。これらを学ぶもう1つのメリットとして、このような由来になった話がそのまま出題される可能性があります。筆者もかつて共通テストや旧センター試験の過去問或いは模試において、故事成語をテーマとした問題を解いたことがあります。問題文を初見で挑むか一度読んだことがあるかでは、解きやすさに天と地の差があります。楽しく漢文の世界観に触れられるこの勉強法は、特に高1・2生や漢文の苦手な子にとってもおすすめです。

 

〇おわりに

漢文は多くの高校生がないがしろにしがちな単元です。しかし漢文を極めておくことで、漢文の得点以外に漢文以外の単元に割く時間も増え、結果的に大幅な得点アップにつながります。誰よりも先に漢文の理解を深めておくことで、周りとの差をつけましょう!

〈文/開成教育グループ 代ゼミサテライン予備校大学受験専門館 石橋教室フェロー 小島神威〉