2023/11/06
【大学受験】ここを抑えろ!!理科基礎勉強法
国公立大学文系学部志望の高3生の多くは、共通テストで理科基礎を受験することになります。しかし、各50点満点の理科基礎。対策が後回しになっている人も少なくないのではないでしょうか。そこで、本文では理科基礎(物理基礎、化学基礎、地学基礎、生物基礎)についての勉強法を詳しく解説していきます。
直前対策の仕方
共通テストの過去問を解く為には、まず基礎を固めておく必要があります。選択した科目の分野ごとに、スケジュールをたてて復習しましょう。しかし、理科基礎だけにさける時間はほとんどないかもしれません。そこで、私は短期間での基礎固めをお勧めします。短期間で基礎固めをしたのち、すぐに過去問演習に入り、共通テストの傾向分析や弱点克服に焦点を当てていきます。
過去問の演習は、問題形式に慣れること、苦手分野をみつけることを意識して行います。時間配分の他、図やグラフの読み取り方は共通テスト特有のものなので、問題形式に慣れることは重要と言えます。過去問を解き、答え合わせを終えたら、苦手分野を明らかにし、問題集の復習に立ち返りましょう。
各科目の特徴と勉強法
次に、各科目の具体的な特徴や勉強法を紹介します。(以下出題分野・出題内容を代々木ゼミナール問題分析 https://sokuho.yozemi.ac.jp/kyotsu/bunseki/index.htmlから引用)
○物理基礎
・第1問は、力学2題、熱1題、波動1題の小問集合。
・第2問は、力学より水平投射、自由落下、鉛直投げ上げ運動。
・第3問は、電磁気より発電、送電に関する知識と計算。
物理基礎は暗記より計算の割合が大きい科目です。その為、基礎の理解を終えたら、演習で公式などを応用できるようにしましょう。物理基礎は、出題分野が大きく分かれています。自分が今勉強している分野がどの大問に相当するところであるかを意識して勉強すると、公式が理解しやすくなります。
○化学基礎
・第1問は、原子構造、分子の極性、物質の三態、分子の構造と気体の密度、物質量の計算、アルミニウム、金属のイオン化傾向、中和滴定の小問が出題された。
・第2問は、しょうゆに含まれる塩化ナトリウムの定量実験に関する総合問題が出題された。
・第1問は、教科書レベルの基本問題が中心。問9の中和滴定の問題は、体積やモル濃度が文字式で与えられているため、やや解きにくい。
・第2問は、考察的な問題が多く含まれている。特に、問3以降は実験内容を正確に理解していないと正解を導けない。
化学基礎も、暗記よりも計算の割合が大きい科目です。基本的な問題で解きやすいものもありますが、実験考察問題では、実験の内容を正確に把握していないと正解を導けないものも含まれます。つまり、公式は丸暗記するのではなく、意味や過程を学んでおく必要があります。
○地学基礎
・第1問は固体地球分野
・第2問は大気・海洋分野
・第3問は宇宙分野
・第4問は自然の恵みをテーマとした固体地球分野、大気・海洋分野の総合問題
・大問数は昨年に続いて4問のままだが、設問数は第2問が1問減少し、第3問が1題増加した。
・大気・海洋分野が第4問を合わせても1題減少した一方、宇宙分野が1題増加したことで宇宙分野のウエイトが少し高くなった。
・知識問題は基本的なものがほとんどであった。
地学基礎は、分野によって計算と暗記の割合が大きく違っているので、それぞれの分野に合わせて勉強を進める必要があります。また、計算も難しい公式を使うものはないので、正確に理解して応用していきます。知識問題については、解き直しの際に1つの問題に対して周辺の知識も復習することでより深い知識にしていくことが重要です。
○生物基礎
・第1問は「生物の特徴および遺伝子」
・第2問は「生物の体内環境の維持」
・第3問は「生物多様性と生態系」から出題
・しかし、第3問Aでは、第1問で扱われる分野からの出題がみられた。
・全体的に知識を基に思考力を試す問題が中心であったが、実験考察問題も多くみられた。
生物基礎は他と比べて計算より暗記の割合が大きい科目です。その為、過去問の演習と問題集の復習の反復で知識の穴を埋めて確実性を高めることを勧めます。また、実験考察問題は、問題文が長い為、難易度があがります。実験の内容を正しく理解し、落ち着いて分析しましょう。
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〈文/開成教育グループ 大学受験専門館 京橋教室フェロー 無量井夏音〉