2025/02/17

【大学受験】文理選択の完全ガイド~志望校を考えよう!~

 高校生の皆さんこんにちは!今回の記事では高校1年生の時に行われる「文理選択」についてお話ししたいと思います。「文理選択」は大きな選択であり、将来にも大きく関わってくるものです。あとで後悔しないためにも、「文理選択」とはそもそも何なのか、それぞれの特徴と違いなど、この記事を読んで「文理選択」についてしっかり理解しておきましょう。

INDEX

■文理選択とは
■文理選択をするタイミングと方法
■文系選択と理系選択の詳細解説
■文理選択のポイントと決め手
■志望校選びについて
■まとめ:最も適した文理選択を見つけ、早めに志望校を決めよう!

 

■文理選択とは

 文理選択とは、「文系コース」か「理系コース」のどちらに進むのかを決めることです。主に高校1年生の時に行われます。選んだコースにより、学校で履修する科目が変わり、大学入試で受験できる学部や入試方法に大きく影響するため、よく考えて決めなければいけません。

文系・理系分類の意味と基本的な違い

 文系、理系で重点的に学ぶ教科・科目が違います。文系は「国語・地理歴史・公民」を、理系は「数学・生物・化学・物理」を重点的に学んでいきます。なお、英語については文系・理系に関わらず、大事な科目になりますので、どちらを選んでもしっかりと勉強していきましょう。文理選択後、高校2年生からは一部履修科目が異なり、志望校の入試科目に大きく影響します。次の「文理選択をするタイミングと方法」の項目を読んで文理選択のヒントにしてください。

 

■文理選択をするタイミングと方法

 高校に入って初めてする「将来につながる選択」、つまり「文理選択」は、受験の最初のステップとも言えます。得意・不得意で決めず、自分の未来を真剣に考えて決めるようにしましょう。

いつ、どうやって選択する?

 基本的に高校1年の秋ごろまでに文理選択は行われます。この時に、今後の進路について改めてしっかりと考える必要があります。

①やりたいことを確認する ~苦手意識をあまり重要視しない~
 目標をもつことが大事です。興味のある学問や職業について確認しましょう。「あの職業に就きたい」「あの学問について学びたい」「あの大学でキャンパスライフを送りたい」そういった強い目標があれば、今の時期に苦手教科があっても、十分に克服できるはずです。

②大学受験を見据える ~大学への意識は成績上昇には不可欠~
 「大学受験なんてまだまだ先のこと」そう思っていませんか?この時期から大学や、大学で行われている講義内容、研究内容などについて調べることで、新たな目標が生まれるかもしれません。先のことだと思わず積極的に情報を収集してみましょう。

③重点的に学習する教科を決め、学習体制を整えよう
 文理選択の時期が迫れば、力を入れるべき教科や分野が明確になってきます。必要な教科の中に不得意なものがあったとしても、得意教科に変えるチャンスです。この機会に学習体制を整えましょう。

④今の自分の学力を把握する ~弱点を克服しよう~
 文理選択の時期に、模試などを利用して今の自分の学力状況について、詳しく知っておきましょう。明らかになった苦手教科や弱点分野を、この時期から克服に向けて対策していきましょう。

⑤文理選択以降の進路選択の流れについても確認する
 「受験するのは2年以上も先の話だから」と、まだまだ進路について実感が湧かない人も多いのではないのでしょうか。しかし、入試本番まではあっという間に時間は過ぎ去ってしまいます!本番までの先を見据えて計画的に勉強のスケジュールを組んでいきましょう。

 

■文系選択と理系選択の詳細解説

 ここからは、より具体的に文系、理系それぞれの特徴についてお話ししていきます。

文系の学びの特徴

・文系進学のメリット
 文系進学を選んだ場合、次のような学部に進学することができます。
(理系でも進学可能な学部も含みます)
〇文学部
〇外国語学部
〇人文・教養・人間科学部
〇経済・経営・商学部
〇社会・社会福祉学部
〇国際関係学部 など

 文系大学生は基本4年間で卒業することが多いため、学費が理系大学生と比べて安いこともメリットの1つですね。また、比較的時間に余裕があるため、アルバイトやインターンシップなどに時間を使うことができます。たくさんの経験を積むことで更なる得意分野の発見や企業の面接での自己アピールに繋げることができるので、ぜひ学業との両立を目指してください。

・文系選択後の勉強する際のポイント
 ほとんどの大学の文系学部は国語と英語の配点が高いため、この2教科の学習に時間を割くことがポイントになります。そのため、高校1年生のうちから国語では現代文の授業で扱う文章を自分の感覚で類推するのではなく、分析的に読む方法を身につける、英語では英単語、文法を覚えるなど基礎を固めていく必要があります。
 ただし、国公立大学の文系を志望する人は文系であっても共通テストや2次試験で数学が必要になる場合はありますので、1年生から数学にも力を入れておくようにしましょう。

理系の学びの特徴

・理系進学のメリット
 理系進学を選んだ場合、次のような学部に進学することができます。
〇理学部
〇工学部
〇農・獣医・畜産・水産学部
〇医・歯・薬学部
〇看護・医療・栄養学部系統 など

 理系大学生は文系に比べて大学院に進学する学生の割合が高く、専門性を獲得できます。授業内の実験や研究を通じて目に見える実績を得やすく、就職活動においてはエントリーシートを書きやすいことや、4年ないし、6年間で身につけた専門性から就職の際にその専門性を活かせる企業を選択することが可能です。IT化が進んでいる現代社会では、理系の需要は高く、就職に有利だと考えられます。また、研究室や学部による推薦制度を使った就職活動を使えることもあります。

・理系選択後の勉強する際のポイント
 理系学部では、文系学部と比べて数学の出題範囲が広いため数学の学習に時間を割く必要があります。数学は特に高校1年生で習う基礎が数学Ⅰ→Ⅱ→Ⅲ、数学A→B→Cと発展していく教科なので1年生の段階から基礎をしっかりと固め、苦手を残さないように日々の予習復習を大事にしましょう。

 

■文理選択のポイントと決め手

 ここからは、文理選択をするにあたって考えるべきポイントについてお話しします。

自己分析の重要性

 大まかな目標が定まったら、現在の自分の学力と学習習慣を確認してみましょう。入試は基本的に総合点での勝負となります。苦手科目・苦手分野を早い段階で克服しておくためにも、自分は何が得意で、何が苦手なのかを把握することを心掛けてください。苦手を把握したら、次はその苦手を克服していきましょう。まず教科書を一から見直すつもりで、「いつ」「どのように」「どれくらい」学習するか決めて学習に取り組みましょう。反復して学習することで次第に問題の傾向や公式、単語などが身につきます。また、一人で勉強してわからないところは学校や塾の先生に積極的に質問してみましょう!

将来の夢とキャリアパスを見据える

 今の学力や偏差値などは何も考えず、これまでの経験を振り返り、自分の興味や適性を把握した上で、自分の理想の将来像を想像してみてください。将来のことを考えてみたけれど、「わからない、決められない」という人も多いと思います。そういう人は現段階で無理に将来像を決める必要はありませんので、「将来の選択肢を広げることのできる」進路を選びましょう。働く条件に「大学卒業」を条件にしている仕事、職業が多いため、まずは「大学進学を前提とした進路」を想定することをお勧めします。

 次に、自分の理想の将来像が決まったら、次にどうすればその夢を実現することができるのかを調べる必要があります。例えば、教師になりたい場合、教員免許を取得する必要があります。そのためには、教員免許を取得することのできる「学部・学科」に行かなければ意味がありません。なりたい職業、興味のあることは、どの学部や系統に属するのかを探してみましょう。

文理変更は可能か?

 結論から述べると、文理変更は学校によりますが可能です。文理変更のメリットとしては、就きたい職業が見つかり、その職業への近道になること、自分のしたい学問を学べる大学へ進学するための進路に進めることが挙げられます。ですが、学習していた内容が一部変わるため、場合によっては独学や塾で一から学ばなければなりません。そのため、文理選択時に後悔しない決定ができるようにしっかりと自分の将来を見据えて考えましょう。

 

■志望校選びについて

 最後に、文理選択のひとつのポイントにもなる志望校選びについて、その留意点をお話ししておきます。

情報収集と選択肢の絞り込み

 憧れている大学や、有名な大学だけではなく、興味や関心のある分野について学ぶことのできる大学の情報を「広く」集めてみましょう。大学のホームページや公式SNS等は簡潔に情報がまとめられているため情報を比較するときに便利です。その中で、自分が将来やりたいことを中心に考えて、志望校を何校か絞り込みます。その際には1度オープンキャンパスに行ってみることをお勧めします。実際に大学に足を運ぶことで、大学の雰囲気を感じながら大学生活をイメージしたり、講義体験を受けたりすることができます。また、学生と交流できる場が設けられていることもあるので、事前に内容を確かめて参加してみましょう。

早めに志望校を決めるメリット

 早めに志望校を決めるメリットは志望校受験までのスケジュールの見通しが立てられることです。具体的な入試日程から逆算したスケジュールをもとに、さまざまな対策をどの時期に行うべきなのかが見えてきます。さらに、別のメリットとして志望校の受験問題への傾向と対策を周りよりも早く立てられるところにあります。また、受験に必要な教科、科目もわかるため、苦手分野が受験に必要だとしても克服のための勉強時間を長く取ることができます。

 

■まとめ:最も適した文理選択を見つけ、早めに志望校を決めよう!

 文理選択と文理選択にまつわる情報をお話しましたが、いかがでしょうか。将来につながる「文理選択」は皆さんの明るい未来への第一歩です。自分の学びたいこと、なりたいもの、さまざまなことを考えて、それぞれの素敵な一歩を踏み出してくださいね。

 

<文/開成教育グループ 大学受験専門館 川西教室 森川彩花>