2025/12/15
【大学受験】共通テスト直前攻略ガイド:最後の仕上げで差をつける
皆さんこんにちは!今回は共通テスト直前期に確認すべき学習計画や当日の試験に関する注意点をまとめました。共通テストが直前に迫っている今、最終的に何を確認すべきかを明らかにすることで、自信をもって本番を迎えられるようにしましょう。
■直前期に見直したい勉強計画とスケジュール
自信をもって受験に挑むためには、限られた時間をどのように使うかが大切です。まずは勉強計画についてです。これまでの受験勉強を通して、「この問題集は共通テストの直前期に取り組もう」「共通テスト本番までにこの問題集の2周目を終わらせよう」などと、漠然と考えてきた人もいるのではないでしょうか。問題集のやり残しを防ぐためにも、まずは何に取り組みたいのかを確認してください。もちろん問題集だけでなく、過去問を何年分解くといった目標も大切です。次に、取り組むべき対象を決めたら、それをいつまでに終わらせるかを決めましょう。そして最後に、○日に○ページ取り組むといった毎日のタスクまで決められるとベストです。また、科目ごとの得点目標を再確認し、全体の優先順位を見直すことも大切です。苦手分野の克服に時間を割きすぎて得意科目がおろそかにならないよう、バランスを意識してください。
加えて、テスト前の身だしなみや持ち物の準備にも時間を割り当てておくと安心です。特に、受験当日の持ち物については事前にリスト化し、前夜までにしっかり確認してください。当日は試験に集中できるよう、準備を整えておきましょう。また、当日、何時に起床するかを想定し、数日前からその時間に起きる練習をして慣れておくことで、本番当日の独特の緊張感を減らすこともできます。
■過去問と模試の活用術:不足分野を最終チェック
過去問と模試を復習することで、自分の苦手な分野を洗い出すことができ、本番までにどこを復習すべきかを明確にすることができます。過去問は言うまでもなく、模試の結果や解答解説も良質な教材であるため、自分のミスを分析し、似たパターンの問題でミスを繰り返さないように意識することが重要です。
また、過去問と模試に取り組む際は、時間を計りながら本番と同じ状況で取り組むことをおすすめします。本番のような緊張感の中で、ベストを尽くすためには何ができるのか、どのように考えるべきなのかなど、過去問や模試を解くことでしか得られないこともあります。
■科目別対策:重点分野とおさえるべきポイント
ここからは、科目別に重要分野とおさえるべきポイントについてお話します。時間がない中で重要なことは、どれだけ効率よく勉強を行えるかです。得意科目だけを伸ばそうと勉強し続けても、総合的な点数の伸びにはつながりませんし、苦手科目だけを勉強しても、反対に得意科目の点数が下がってしまうかもしれません。効率よく、全体を勉強するようにしましょう。
国語:設問の根拠を素早くつかむ読み方
国語は時間との戦いになります。短い時間の中でかなりの文章量を読み、問題を解く必要があります。すべてを丁寧に読んでいると時間が足りません。まずは設問を確認して、その問題に関係のある部分を重点的に読むようにしてください。また、練習のうちから時間配分を意識するようにしてください。例えば、評論問題で二つの選択肢で迷ってしまった場合など、長考してしまうこともあると思います。しかし、そのために小説問題の時間が短くなってしまい、十分に解くことができなくなるのは非常にもったいないです。そうならないために、各大問にデッドラインを設けておきましょう。25分間は評論に時間を使っていいなど、自分の中でルールを決めておくことで、想定外の事態を防ぐことができます。
数学:反復演習で計算スピードと正確性を磨く
数学は計算のスピードと正確性が重要です。大問の初めの方で計算ミスをしてしまうと、この後の問題にも大きな影響を与えてしまいます。そうならないためにも、特に初めの問題は丁寧に計算するようにしてください。計算のスピードを磨くためには、反復練習が必須です。過去問や演習問題を繰り返し説くことで、計算に慣れるようにしてください。また、本番までにあやふやに暗記してしまっている公式がないかを振り返りましょう。公式を覚えていないと問題を解くことはできません。不安な部分は本番までに必ず復習してください。ミスの傾向を振り返り、同じ間違いを繰り返さないことが直前期最大のポイントです。
英語:長文読解とリスニングの時間管理
英語の長文問題は国語と同様に、時間との勝負になります。そのため、限られた時間で少しでも多くの問題で正解するためには、設問から読み、重要な部分を絞って精読することが重要です。問題文に関係あるところだけ読むことが最短の方法ではありますが、初めて見る問題で重要な部分を見抜くことは至難の業です。そのため、初めはざっと全体を読んで内容をつかみ、設問を読んでからは関係のある部分を丁寧に読み込むようにしてください。リスニングでは、放送前に設問をざっと読んでおき、聞き取った情報を簡潔にメモしながら進めると見落としを減らせます。短い時間ではありますが、少しでも先読みをしておくことで、解ける問題を増やすことができます。聞き逃したと感じても深追いしすぎず、切り替えを素早く行うことが重要です。
理科:重要公式と実験問題への対応
理科では、自分の持っている知識をいかに思い出すかが大切です。特に重要な公式は覚えておかないと全く問題に歯が立たないことになってしまうため、必ず復習しておきましょう。計算問題は単位や数値の扱いでミスをしやすいので、計算過程を丁寧に書きだす習慣が大切です。また、実験問題のような演習問題についてはグラフや図表の読み取り力が問われるため、頻出パターンに慣れておくとミスの防止だけでなく、時間短縮にもつながります。これまでの練習問題で、自分がどのような理由でミスをしたのかを振り返り、本番で同じミスをしないようにしましょう。
社会:資料・複合問題への取り組みのポイント
社会では、資料や地図を用いた問題が多く出題されており、時代を超えた複合的な問題が増えてきています。問題文自体も長文化しており、時間配分にも注意が必要です。ただ、資料問題では、知識が無くとも丁寧に読み込むことで正解を導き出すことができる場合もあります。覚えていない知識を問われる問題が出たからといってあきらめてしまうのではなく、最後まで丁寧に取り組むようにしましょう。暗記は最後の最後まで有効なので、直前まで用語や年号などをこまめに復習するのも得策です。
■当日の時間配分と解答順:焦りを防ぐベストプラン
共通テスト本番の当日は、限られた時間の中でどれだけ多くの問題を正確に解くことができるかがカギになります。当日に焦ってしまい、時間を無駄にしないように、あらゆる事態を想定して、備えておきましょう。例えば、国語の第1問に思っていたよりも時間をかけてしまった場合、どうするかを考えていますか。もちろん、事前の想定で各大問にかけることができる時間を割り振っておくことで、そのような事態が発生すること自体を防ぐことができます。あるいは、時間をかけてしまった分を後半の古文や漢文で取り戻すという想定もできます。どのような想定であれ、自分のスタイルに合わせて考えておくようにしましょう。
また、先に取り組むべき問題を考えておきましょう。本番ではまず解きやすい問題や高確率で得点できる問題に素早く取り組むのがおすすめです。時間がかかりそうな設問に直面したら、すぐに切り上げて次の問題へ移る勇気も大切となります。大問ごとの配点や難易度を意識しながら解答順を組み立て、焦らないように心がけてください。解答の見直し時間を捻出するためにも、ある程度のスピード感をもって進める必要があります。
■心構えとメンタルケア:緊張を味方につける考え方
共通テストは一発勝負なので、緊張してしまうこともあると思います。ただ、その緊張は自分だけのものではありません。多くの受験生にとって、共通テストは正念場です。そのような中では、緊張を味方につけましょう。程よい緊張感は集中力を高めてくれます。緊張を感じたときは、深呼吸や簡単なストレッチで身体のこわばりをほぐすと気持ちが切り替わります。直前期には模試などの成功体験を思い出し、自分に自信をもって、試験に臨んでほしいです。
■体調管理と生活リズム:睡眠・食事・休憩のコツ
直前期は焦ってしまい、何よりも勉強を優先してしまう人も多いでしょう。しかし、直前期だからこそ、生活リズムを正しく保ち、最善の状態で本番に臨みましょう。そのために、真っ先に確保してほしいのは、睡眠時間です。自分でたてた目標の勉強量を達成するために、睡眠時間を削って勉強する人もいます。しかし、そのような生活を直前まで続けていると、本番で寝坊してしまう可能性があります。また、夜に勉強することに慣れていると、本番当日の昼の時間に全力を出すことができないかもしれません。少なくとも年明けからは正しい生活リズムを保つようにしてください。次に食事です。食事を抜くことは絶対にやめてください。勉強しても脳に糖が届かなければ、定着させることはできません。試験本番も食事は正しくとるようにしましょう。最後に休憩についてです。直前は詰込みのため、休憩をしない人もいるでしょう。しかし、少しの休憩は勉強の効率を高めてくれます。自分で時間を管理して、効率よく勉強を進めましょう。
■試験直前にできる最終チェックリスト:持ち物・会場確認・下見
試験直前には、当日の持ち物と流れを確認しておきましょう。持ち物については、規定が設けられています。英文字が使われているシャープペンシル等、試験では使用できないものが定められています。事前に当日の持ち物のチェックリストを作成し、足りないものがないかを確認するようにしてください。足りないものを買いに行く時間も確保しましょう。また、当日の流れについても、予習しておきましょう。朝起きる時間や家を出る時間、どの駅から何線の電車に乗るのかなど、事細かく準備しておきましょう。当日にナビを使えばいいという考えはやめましょう。特に、道に迷いやすい人は事前に下見をすることをおすすめします。一度会場まで自分で足を運ぶと、当日に安心感と余裕が生まれます。当日に友人と一緒に行くことは絶対にお勧めしません。どちらかが遅刻をしてしまった場合、おいていくという約束をしていたとしても、心のどこかに心配する気持ちが残ると思います。不安定な感情になると、自分の力を100%発揮することができないので、勉強以外の心配事はなるべく防ぐようにしましょう。
■試験当日の注意点:会場入りから昼食・休憩時間の使い方
会場に着いたら、速やかに自分の席を確認し、自分のルーティーンを始めましょう。ルーティーンを始めることで、慣れない会場でも自分のペースを作り出すことができます。また、トイレの位置を確認しておきましょう。共通テストの休み時間は長いものの、不安な要素を取り除いておく時間にあてましょう。昼食や休憩の時間は、つい友人と話をしたくなるかもしれませんが、避けるべきです。自分が話をしなくても周囲の会話が気になるかもしれません。しかし、そこで聞こえてくる情報は正確かどうかもわからず、ただ不安をあおるだけです。勉強以外の要素で不安を感じないためにも、イヤホンなどを持参し、自分だけの空間・ペースで過ごすようにしてください。
■試験後の過ごし方:自己採点・2日目への切り替え
共通テスト一日目の夜は、体を休めることに時間を割きましょう。休憩時間は長いですが、拘束されている時間も長いです。帰宅してからもルーティーンを守り、夜更かししないように気をつけましょう。また、初日に自己採点は絶対にしないようにしてください。結果が良ければ慢心してしまい、結果が悪ければ不安が膨張し、焦る気持ちが増すだけです。初日の自己採点はしてもいいことがありません。2日目終了後の楽しみにとっておきましょう。手ごたえが良くても悪くても切り替えて、初日のような新鮮な気持ちで2日目に臨むようにしてください。
■よくあるトラブルと対策:忘れ物、体調不良、難化科目など
よくあるトラブルとして、忘れ物が挙げられます。忘れ物をしてしまったら、どうするかを想定できていますか。忘れ物をしないためにも前日の準備が大切ではありますが、もし忘れ物をしてしまったら、助けを求められる人がいないかを考えるようにしましょう。時間に余裕があれば、自分で買いに行くこともできますし、もし友人が2つ持っているものがあれば貸してもらえるかもしれません。
次に体調不良についてです。できる予防を全てしたうえでも、体調を崩してしまうことがあります。そのような場合は、試験監督に相談し、追試を受けることができることもあります。困ったことがあれば、すぐに周囲の大人を頼るようにしてください。体調不良が起きた場合を考えて、風邪薬やのど飴など、必要最低限の医薬品を携帯することを検討してください。
最後に難化科目についてです。今までのような手ごたえがない科目があるかもしれません。そのようなときも焦らずに、こんなに難しいということは他の受験生の点数も低いはずだと思うようにしましょう。受験は相対評価です。ライバルよりも高い点数を取れば合格できます。そのため、問題の難化に焦る必要はありません。
■二次試験・私大受験への展望:共通テスト後に見直すべきポイント
共通テスト後の復習は、二次試験や私立大学の入試に役立てることができます。共通テストは網羅的に出題されているため、自分の得意・苦手な分野を確認することができます。共通テストの復習から、自分が次に勉強すべきところがわかり、効率的に勉強を進めることができるのです。
■共通テストの利用・併用について
国公立志望の方も私立大学を併願受験する方は多いと思います。その際に有効になる出願方法が共通テスト利用型や共通テスト併用型という入試方式です。例として特に難関国公立を志望されている方であれば、共通テストはあくまで通過点でありメインは共通テスト後の二次対策にある方が多いでしょう。その場合、なかなか私立大学の対策まで手が回らないということも多いと思いますが、そこで活用頂きたい入試が共通テスト利用入試です。その名の通り、共通テストの結果(点数)だけで私立大学の合否を判定してくれる入試制度となっており、入試負担の軽減だけではなく、共通テストの自己採点チェックの意味合いで出願する人も多いです。共通テスト利用出願の際は、特に難関私立大学となると共通テスト受験前に出願締切となる大学が多くなるため注意が必要です。
次に共通テスト併用方式を紹介します。共通テスト併用方式の特徴としては、共通テストの結果(点数)だけではなく、共通テスト結果と私立大学のテスト結果を合わせて合否判定する入試制度となっています。共通テスト受験後に自分の自己採点結果を見たうえで出願が間に合う私立大学が多いところが共通テスト併用入試のポイントになります。国公立志望者の方だけではなく、私立大学志望者の方にとってもプラスになることが多いです。一例として、立命館大学では日本史の試験に記述が入ります。日本史が苦手な方にとってはなかなか記述までの対策は難しく、この記述を避けたいために別大学を受験される方もいらっしゃいます。しかし共通テスト併用方式を活用すれば、共通テストの日本史(マーク試験)+立命館大学の英語・国語の試験結果で合否を判定してくれるため、日本史の記述対策をカットすることが可能です。(※学部学科によるため入試要項要確認)
このように自分の得意を活かし、うまく共通テストを活用すると合格に向けての幅を広げることが可能となります。
■合格者に学ぶ経験談:直前期で伸びた成功例とは
合格した先輩方は、どのような勉強方法や心持で、本番に臨んだのでしょうか。塾の先生や学校の先生など、身近な人の経験談を聞き、それを参考にしてみてください。よく耳にする成功例としては、実際の共通テストに近い状況で過去問演習をする方法です。それにより、本番での心境を想定し、準備をすることができます。ぜひ、様々な人の意見を取り入れ、自分に合う勉強方法を見つけてください。
■まとめ
ここまで共通テスト直前期のあれこれについてお話してきました。この中から、何か参考になるものが見つかり、皆さんの受験の役に立てれば幸いです。受験は最後まであきらめなかったものが勝つことができる戦いです。皆さんが全力をぶつけてくることができるよう、応援しています。
<文/開成教育グループ 大学受験専門館 石橋教室 又野真那>