2023/12/18

【大学受験】合格を掴む!私立大学出願のポイント

合格に向けて今からラストスパート!今からするべき共通テスト対策

12月になり共通テスト、受験本番が迫ってきています。みなさんの勉強内容も総仕上げに向かっているでしょうか。今回の記事は私立大学出願をする上での重要事項と、共通テストをどのように使うかの紹介記事です。合格に向けて学力だけでなく出願をする上でのポイントも抑えておきましょう!

 

受験回数を増やすと合格可能性が上がる!?

7回理論、受験回数の増やし方(学部内併願の紹介)


合格のために本質的に重要なことは学力の向上を目指すことなので今から紹介する受験回数と合格可能性の関係性で受験が決まるわけではもちろんありません。ですが、受験する機会が増えれば増える程合格する確率が上がるというデータがあります。

下記のグラフはフリーステップ・ソフィア・大学受験専門館2016年度~2022年度入試の受験者データより、関関同立4大学の受験回数と合格率の関係を、受験回数別にまとめたものです。このグラフを見てもわかる通り、受験回数が7回を超えると合格率が50%を超えています。実力はもちろんですが、本番の入試の回数も合格率に大きく影響することも頭に入れて受験回数、日程を組んでいくことが大切です。

代ゼミサテライン予備校_関関同立大受験回数と合格率.jpg

(フリーステップ、ソフィア、大学受験専門館合格者データ  2016~2022年度)より(受験者総数8013)

 

併願校の決め方

→併願例を紹介


併願校を決める時はまず、自分の学力をから挑戦校、実力相応校、安全考の三段階のレベルの大学を探します。自分の実力を考える時は模試の結果を参考にするとよいでしょう。模試で算出された自分の偏差値をもとに+5以内を挑戦校、±0を実力相応校、-5~-10以内を安全校の目安にします。

それらが設定できれば次にそれぞれの受験回数と日程を決めていきます。基本的に第一志望となる挑戦校は、全日程受け、安全校もまた確実に抑えることが重要となるので、必ず複数回受験できるように予定を組みましょう。安全校は公募推薦で確保しておくことがポイントです。

ここで併願の例を紹介します。これは関関同立を狙う文系Aさんの場合です。

(※各大学の受験日や入試区分はパンフレットでご確認をお願いいたします)

【挑戦校】同志社大学

【実力相応校】関西大学・関西学院大学

【安全校】近畿大学

受験大学

受験学部・学科

入試区分

受験日

合否

近畿大学

法学部・法律

一般公募 スタンダード方式

11月19

合格

近畿大学

法学部・法律

一般公募 高得点科目重視方式

11月19

合格

関西大学

法学部・法学政治

全学部日程1(3教科型)

2月1

合格

関西大学

総合情報学部・総合情報

共通テスト併用(2科目型)

2月1

不合格

関西学院大学

法学部・法律

全学日程

2月2

合格

関西学院大学

法学部・法律

学部個別日程

2月3

合格

同志社大学

法学部・法律

全学部日程(文系)

2月5

合格

同志社大学

経済学部・経済

学部個別日程

2月6

合格

同志社大学

法学部・法律

学部個別日程

2月8

不合格

同志社大学

商学部・商ー商学総合

学部個別日程

2月9

不合格

同志社大学

社会学部・社会

学部個別日程

2月10

不合格

Aさんは挑戦校である同志社大学で異なる学部を5つ受けています。どうしても受かりたい学校がある場合、Aさんのように一つの学部に絞り切らずに複数の学部を受験する方法は非常に効果的です。安全校である近畿大学は公募推薦で抑えることができ一般での負担を減らすことができています。実力相応校の関西大学と関西学院大学では異なる学部受験、共通テスト併用方式を利用するなどして合格を勝ち取っています。

様々な入試方式が存在する私立の一般試験ではそれらを全て利用していくことで合格の可能性が高まるということを覚えておきましょう。

国公立受験生は共通テスト前に予め共通テスト後の予定として、共通テストの点数が目標以上だった場合・目標と同じだった場合・目標点以下だった場合、それぞれの場合の出願校を考えておくことが大切です。思うように点が取れなかった場合、落ち込んでしまったり、焦ったりして冷静に出願先を決めることができなくなる前に前もって予定を立てておくことも大切です。共通テスト後の見通しは12月の段階で立てることで、共通テスト後の動きにスムーズに入ることができます。

共通テスト利用の紹介


共通テストは国公立受験生が主に利用できるような印象があるかと思いますが、実は私立受験生にも大きなメリットが存在します。ここでは共通テスト利用のメリットについて紹介します。

まず、共通テストを使った受験方式というのは二つあり、「共通テスト利用方式」と「共通テスト併用方式」です。

共通テスト利用方式は共通テストの得点のみで私立大学の合否判定を行うことができる方式の事です。

メリットは大きく分けて2つです。

①一回の入試(共通テスト)で複数の大学を受験できる‼

→共通テストのみの点数で出願をすることができるので、出願数を増やし合格の可能性を上げるとともに、実際に独自試験を解く負担を減らすことができます。

国公立受験生は国公立2次試験前に自己採点の確実性を確かめる機会にもなります。

②受験料が安い‼

→共通テストの受験料は私立大学の一般試験料と比べて比較的安くなっています。

共通テスト併用の紹介


次に、共通テスト併用方式についてです。この方式は共通テストの結果+大学独自試験の点数で合格判定を出すことができる方式です。メリットは大きく分けて3つです。

①科目数の負担を減らせる‼

→基本的に大学独自試験は3教科がほとんどですが、共通テスト併用方式を使うことで、大学独自試験の科目数を減らせる場合があります。例)共通テスト1科目+大学独自試験2科目

関西大学では一般選抜の「個別試験」と「共通テスト併用」を併願することができ、1日分の「個別試験」を受験するとその点数を使って「個別試験(全学部・全日程)」と「共通テスト併用」の2パターンを受験することが可能となります。つまり、受ける試験は1回で合否判定を2回受けられるという大きなメリットがあります。

②得意科目を生かせる‼

→受験選択によっては個別試験も共通テストも得意な科目で受験することができます。例えば日本史が苦手な場合、[共通テスト:国語・個別試験:英語・国語]というように苦手な日本史を使わず得意な国語と英語に絞って受験できるというケースもあります。

③競争倍率の低下‼

→これだけメリットがある共通テスト併用方式ですが、共通テストと独自試験の2つを基本的に受験する必要があるため受験生の多くはあまり使わない方式となっています。つまり、共通テスト併用方式は、競争率が他の方式に比べて低くなる傾向があります。

〇終わりに

今回の記事では私立大学を出願する際のポイントとそれに伴い共通テストを使った出願方式をご紹介しました。いかがでしたか?知っていた出願方式よりも多くの方式があることが知れたのではないでしょうか。受験生の皆さんが想像しているよりも私立大学の受験方式は様々に存在しています。大切なことはそのすべてをまず把握して自分が使うことができるものを上手に選択していくことです。受験においては基本的に学力の向上が大切ですが、受験回数、受験方式も合否を左右する大切なものです。

今一度自分の受験予定を考えてみて合格のチャンスを逃していないか確認してみましょう!

〈文/開成教育グループ 大学受験専門館 茨木教室フェロー 中山佐久良〉