2024/03/04

【大学受験】新課程の共通テスト数学、何が変わる?

学習指導要領の変更に伴い、2025年度より共通テストの出題科目や内容が改変されます。ここでは数学に関する変更についてご紹介していきます。

いままでの共通テスト数学とは内容が大幅に異なることになりますので、最後まで読んでいただき今後の学習の参考にしていただければと思います。

旧課程と新課程での違いは?

はじめに旧課程と新課程での出題範囲の変更についてご紹介します。

まず、数学①についてです。現行のものでは数学Ⅰの範囲から第1問、第2問の出題があり、これらは必答となっており、新課程でも変更はありません。一方、数学Aの問題は「場合の数と確率」、「整数の性質」、「図形の性質」の3問から2問選択して解答でしたが、新課程では「整数の性質」の出題がなくなります。したがって、数学①は第1問から第4問まで全て必答となります。

試験時間は新課程も70分と変更はありません。

続いて数学②についてです。数学Ⅰと同様に数学Ⅱの範囲についての変更はありません。ただ、現行の数学Ⅱは大問2つで構成されていますが、新課程では大問3つでの構成となり、これらが必答となります。さらに、数学Bの範囲について改変があるとともに、数学Cが追加されます。現行の数学Bは「確率分布と統計的な推測」、「数列」、「ベクトル」の3問から2問の選択となっています。新課程になると数学Bから「ベクトル」が消え、数学Cに移行されます。さらに、数学Cの範囲にこれまで数学Ⅲに含まれていた、「平面上の曲線と複素数平面」が加わります。まとめると、数学②では数学Ⅱで構成される第1問から第3問が必答、数学Bで構成される第4問、第5問、数学Cで構成される第6問、第7問の4問から3問選択して解答となります。

また、試験時間が現行の60分から10分延長され、70分に変更されます。

二次試験はどうなる?

続いて二次試験についてはどうなるのかという疑問に触れていきましょう。

共通テストと二次試験は同じ範囲が出題されると思っている受験生も多いのではないでしょうか。この考えをしている場合は注意が必要です。

まだ、すべての大学で情報の開示が行われてはいませんが、たとえば大阪大学の出題範囲を見てみると文系数学では数学Aは「図形の性質、場合の数と確率」、数学Bは「数列」、数学Cは「ベクトル」となっています。したがって、共通テストより出題範囲が絞られています。

一方、筑波大学では文系数学、理系数学ともに数学Aは「全範囲」と明記されています。この場合、「場合の数と確率」、「図形の性質」に加え「数学と人間活動」が含まれます。「数学と人間活動」ではこれまで「整数の性質」で扱われていた内容が含まれています。二次試験や私立大学の入試において、整数は頻出ですので、必要の可能性がある場合はしっかりと対策しておきましょう。

今後、情報の開示が進んでいくと思いますので、自分の興味のある大学については随時ホームページ等を参照しましょう。

また、現段階で出題範囲が分からなかったり、余裕があったりする場合は全範囲の対策をしていくことをお勧めします。ギリギリに情報が開示されることや、志望校の変更で出題範囲が変わってしまう可能性があります。その際に勉強していない範囲があると手遅れになりかねません。そうならないためにも時間がある今から幅広く勉強しておきましょう。

終わりに

新課程になる際に、多くの受験生が不安に感じる要素の1つに過去問がないという点が挙げられると思います。まずは、大学入試センターのホームページにサンプル問題が公開されていますので、そちらを参照してみてください。

また、模試を活用することも大事です。各予備校がサンプル問題を参考に共通テストに模した問題を作成しますので、可能な限り模試を受験することをお勧めします。

さらに、新課程と旧課程で出題範囲が被っている部分も多くあるので、旧課程の共通テストの過去問も上手く活用していきましょう。

〈文/開成教育グループ 大学受験専門館 高槻教室 原明穂〉