2025/01/20

【大学受験】模試の復習方法とその効果

 皆さんは、普段「模試」にチャレンジした後どのように過ごしていますか?その時解いた問題を解きなおしたり、あるいは間違えた内容を問題集で復習したり、人によって様々かと思います。はたまた、「模試の後って何したらいいの?」というふうに困っている方もいらっしゃることでしょう。今回の記事では、受験期に入り重要性を増してくる「模試の復習方法」についてご説明させていただきます!

INDEX

■復習の重要性と目的
■効率的な復習ステップとスケジュール
■定期的な復習計画の作成
■科目別復習のコツ
 数学の復習法と公式の確認
 英語の復習法と単語暗記
 理科の復習法と理論理解の強化
 国語の復習法
 社会の復習法
■模試復習のまとめと総括

 

■復習の重要性と目的

「模試でやった問題なんて今後受験で出ないじゃん、なんで復習しなきゃいけないの?」そうお思いの方もいらっしゃるでしょう。確かに、模試と全く同じ問題を出してくれるほどやさしい大学はなかなか無いでしょう。ではなぜ復習する必要があるのでしょうか?

 模試の復習による効果は大きく分けて二つ、「定着確認」と「弱点確認」があります。 「定着確認」は今できている部分の、「弱点確認」はできていない部分の確認を指します。これらの内容を把握し、今後の学習内容を考え直すという点で模試にはとても大事な意味があるのです。そして復習の際に大切になるのがこの「弱点確認」の部分になります。今できている部分を確認し自信にする一方で、今できていない部分をしっかり復習し、次回の模試に備える。このルーティンを確立できれば、模試のたびに着実に得意を増やしつつ弱点を減らすことができ、どんどん得点率を上げられるようになりますので、今回の記事でしっかり復習方法を身に受けられるようにしましょう!

 次の章からは、実際に点数につながる効率的な復習方法について詳しく説明いたします。

 

■効率的な復習ステップとスケジュール

 どのタイミングでどんな復習をするか、これが肝要ですが、ここではタイミングの部分について細かく解説したうえで、次章にて復習内容を科目別に説明いたします。

 復習すべきタイミングは大きく二つ、「模試直後の見直し」と「その1日後」です。模試におけるミスというのはいわば生もので、発生した瞬間が一番印象に残るものです。逆に言えば、さっさと復習して定着させないとどんどん頭から抜けていきます。まずは起こしたミスに対して、次の休み時間に1問1答や教科書を見直すなどして忘れないうちに早く復習し頭の片隅に植え付けること、これがまず大切です。ではそのあと、模試が終わった翌日からはどう過ごすべきでしょうか?

 ここで人間の記憶定着のプロセスの指標として、「エビングハウスの忘却曲線」というものを紹介させていただきます。

エビングハウス.jpg

https://sprout-juku.com/knowledge/ebbinghaus「【効率よく復習するには?】エビングハウスの忘却曲線」より)

 人間の記憶というのは新規の情報の暗記が苦手で、この曲線が示す通り、例えば前日記憶したものでも翌日にはその75%もの部分を忘却してしまうそうです。前日に覚えたものでも75%も忘れてしまうようでは、そのまま1週間、1ヶ月とほったらかしにしておけばどうなるか、想像に容易いでしょう。そのため模試直後のみならず継続的・定期的な復習が大切であり、その第1歩が「模試翌日」というわけです。とにかくミスが鮮明なうちに何度も復習して素早く定着させる、このスピード感を意識しましょう!

 

■定期的な復習計画の作成

 さて、ここからは肝心な復習方法について説明させていただくのですが、まず科目全体を通して使えるテクニックについてお話いたしましょう。

 先述の通り、模試のミスというものはいくら勉強しても時間とともに頭から抜けて行ってしまうものですから、試験前などにまとめて思い出せるような工夫があるとうれしいですよね。そんなときに使えるのが「復習ノート・ファイル」です。

 例えば模試で解けなかった問題をコピーして貼る・社会で抜けがちな知識を書き留める・過去に書いた英作文を添削と一緒にまとめるなど、過去に行った復習を内容別に仕分けておくと、模試の前などに見返して同じミスを起こさないようにする実用的な面に加え、「努力の証」として目に見える形で受験のお守りにするなどメンタルケアのためにも一役買ってくれます。実際に筆者は過去に上手く書けた英作文をファイルに入れて国立大学の二次試験会場に持ってきましたが、直前にふと見返すだけでも「これだけ頑張ったんだ」と自分を鼓舞してくれ、本番の緊張感を解きほぐすことができました。勿論成績アップにもつながるテクニックなので、機会があればぜひやってみてください!

 

■科目別復習のコツ

 次に、科目ごとの具体的な復習方法についてお話しします。ここでは多くの受験生に課せられている「数学」「英語」「理科」「国語」「社会」に絞って解説します。

数学の復習法と公式の確認

 数学は解法暗記が命、どこで何を使うのかの習得を念頭において復習を行いましょう。例えば「何の解法を使えばいいかわからなかった」場合、知識定着が未熟成なのでまずはチャートなどの網羅系参考書に戻って、模範解答にあった解法について復習&実際に使えるよう練習問題で演習、というプロセスを踏みましょう。一方で「やり方はわかったが計算ミスをした」という場合、平易な計算ミスならば今後気をつければよい話ですが、違う解法と混同していたり公式を間違えて覚えていたりする場合、分かった気になっているだけで本質的理解が足りていない可能性があるので、こちらも必ず網羅系参考書に戻って解法の用法をよく復習していきましょう。解法とは形を覚えて、用法を理解して初めて正しく使えるものですから、改めてどこで何を使うのかの暗記に努めましょう。

英語の復習法と単語暗記

 英作文や和訳・長文読解など形式は多岐にわたる英語ですが、いずれにしろ得点できない要因として多く見られるのが「文法」です。英作文が書けない、長文が早く読めないといった悩みは、いずれも文法事項がしっかり定着できていないことが原因で思うような表現が思いつかなかったり、いちいちイディオムに引っかかってスラスラ読めなかったりするものです。そのため英語の復習をする際は最初に「わからない文法はなかったか」を整理しましょう。イディオム・単語などの暗記要素で詰まった場合は先述の暗記ノートや単語カードなどで目に見える暗記ツールを作っていけば、そのうち自分の苦手に合ったオリジナルの参考書として弱点克服に大きく貢献してくれます。一方で、文法や構文などで分からなかった部分はまず文構造を整理して、自分が知らなかったものがどのような文構造をとっているのか確認しましょう。そのうえで+αとして、そこで分からなかった文法を用いた軽い英作文を書いてみましょう。これは分からなかった文法について、どのような構造を取るか身をもって知ることで、長文読解の際に筆者の立場に立って「こういうことを言うならこういう構文にするな」という風に文構造を予測して読めるようにするためです。もしこのやり方をマスターできれば、本文の文脈から文構造を推定してスラスラ読むことも可能になるため、私立志望の方でも英語を伸ばしたいならぜひともやってみましょう!

理科の復習法と理論理解の強化

 基本的には数学と同じように解法とその用法に関する復習内容になるかと思いますが、理科は比較的単純な暗記要素の比重が大きいので、特に教科書に載っているような実験内容について不明瞭な部分があれば、教科書を見直してよく復習しておきましょう。特に国公立文系志望や看護系志望の方は理科基礎が必要になる中、頻出範囲である実験の内容並びにそれによる化学式変化や反応の様子などは一見単純な暗記に見えて、実験の工程一つ一つに何らかの意図があっての実験結果となっているので、「どの作業にどんな意図があるか」を復習で定着させておくと、共通テストの正誤問題などでの失点が大きく減るかと思います。淡白な暗記にならないよう、学校で実施した実験内容などを思い出しながら復習するとイメージをつけやすいかもしれませんね。

国語の復習法

 現代文と古典で大きく復習方法が異なるのですが、まずは「現代文」について説明します。なかなか解法が安定させづらい印象のある現代文ですが、ここで得点するための肝は 段落/本旨の要点をつかめるか になります。論説文にせよ小説にせよ、本文の言わんとするところを把握できれば解けない問題はありません。

 ではどのように要点をつかむか、これを理解するために復習が大切になります。現代文の解法はかなり感覚的なものになるので、人に教えられるというよりは自分で解くたびに「このような書き方の部分に要旨がよくあるな」「このような表現はこのような意図があるな」ということを感覚としてとらえる必要があります。そのため復習の際には、ある問題に対し「なぜこの部分が解答根拠になるのか」を強く意識しながら、「どのような文脈でどのような問いが来て、どのような表現の部分が解答根拠になりやすいか」を自分の中にパターン化することを目標としましょう。ただしこれにはかなり多くの経験値が必要になるので、普段の演習から解答根拠・順序に気を遣いつつ、自然とパターンが自分の中に作られるのを根気よく待ち続けましょう。

 一方で「古典」ですが、基本的には英語に近い復習方法でよいかと思います。文構造・慣用表現などについても(さすがに作文までは求めませんが)実際の文章中での用法についてよく理解しておきましょう。また、これは特に古文に言えることなのですが、助動詞の識別や単語の訳はできるのに主語識別ができない、という場合が多いです。いくら単語が読めてもここで落としてしまえば元も子もないので、ここでのミスの際は復習するときに「なぜその主語なのか」、接続助詞「を・に・が・ど・ば 」などに気をつけつつ根拠を持って解きなおせるようにしましょう。

社会の復習法

 社会は復習の際によくありがちなミスがあるので指摘しておきます。それは、ある単語を忘れていたという場合にその単語と周辺情報だけ復習するというミスです。もちろん意味のある復習ですが、特に歴史に関して一つ単語を覚えているだけでは、「じゃあその知識いつ使うの?」と訊かれたときに答えに詰まってしまいます。どの時代区分・どの分野・誰との文脈でその単語が出てくるのか?ここまで徹底して暗記しないことには、特に時代をごちゃまぜにした正誤問題が出たときに文脈がわからず頓珍漢な選択肢を選ぶ、なんてことが起こりかねません。たった一単語でも、もし忘れていたという場合は前後50年ぐらいの同単元の知識を整理したうえで、「どんな文脈でその単語が出てくるか」を必ず定着させましょう。

 

模試復習のまとめと総括

 今回の記事では、模試の復習方法とその効果について説明させていただきました。模試を単なる受験上の1イベントと軽視せず、毎回出てくるミスを上記のような方法で丁寧に復習してあげれば、皆さんの学力も確実かつ自然と伸びてきます。また模試に限らず、普段の問題演習で出たミスについても同じように一つ一つ復習しておけば、日常から極めて効率的に学力を上げていけるでしょう。

 第1志望合格を目指して、使えるものはすべて使い、吸収できるものはすべて吸収する。成長に貪欲に、普段から周りと差をつけられる習慣を心掛けましょう!

 

<文/開成教育グループ 大学受験専門館 石橋教室 小島神威>