2024/04/15

【大学受験】共通テスト新課程での主な変更点〈社会科目〉

皆さんこんにちは!2025年度から学習指導要領の改訂に伴い、共通テストの出題傾向に大きな変更があります。そのため、どのような勉強をしたらよいかわからない、傾向が全くつかめないというように不安を抱く人もいるのではないでしょうか。現に私の周りでは不安に思っている人が一定数存在します。そこで、新課程となった共通テストの変更点、特に社会科目を今回は皆さんに伝えていこうと思います。これからの勉強の仕方について一緒に学習していきましょう!

歴史分野

社会科目の中で特に変更が大きいものの1つが歴史になります。2024年度までは「日本史B」もしくは「世界史B」で受験することになっていましたが、2025年度より、「歴史総合・日本史探究」もしくは「歴史総合・世界史探究」での受験が必要になり、「歴史総合」という新しい科目を勉強する必要が出てきました。では、歴史総合とはどういう科目なのでしょうか。端的に言えば、歴史総合とは、「日本の歴史と世界の歴史との結びつきの重視」であると考えられます。つまり、日本史受験者は世界史を、世界史受験者は日本史をプラスで勉強しなければならないのです。これを聞くと、勉強量が増えて対策する時間をたくさん作らなければならないと考える方も多いと思います。

しかし文部科学省が提示する学習指導要領によると、歴史総合の範囲は世界史で言えば産業革命以後、日本史で言えば諸外国が日本に開国を求める19世紀以後の日本と世界の結びつきですので、実際には範囲が膨大に増加したというわけではありません。したがって、歴史総合に強い警戒心を持つ必要はないことがいえます。

では、これからどのように勉強を行えばよいのでしょうか。文系選択者はまず、受験する歴史科目を中心に勉強してください。日本史受験者であれば日本史探究を、世界史受験者であれば世界史探究を中心に勉強していきましょう。範囲がそこまで大きくない歴史総合は20244月現在まだ参考書や問題集がそこまで出回っていませんので、主要科目の理解を深めてから教科書や参考書で時代の流れを理解し、用語暗記をしていけば良いと思います。

公民分野

 2024年度まであった「現代社会」が廃止され、新しく導入された「公共」は、学習指導要領によると、成人年齢が18歳に引き下げられたことによりグローバル化の激しい現代社会の中で自ら考え行動することを目標としています。そのため、共通テストで出題される「公共」は、「主体的に考える力」を特に重視しています。共通テスト公共の範囲は政治・経済と倫理の基礎的部分が中心で、勉強する範囲はそこまで多くないですが、共通テストの出題のされ方が大きく変わるおそれがあります。大学入試センターが公表している公共のサンプル問題から考えるに、基礎知識は身につけたうえでそれを現代社会にどう活かすかを考える思考問題が増える可能性があります。

 では、これからどのように勉強していけばよいのでしょうか。「公共、政治・経済」や「公共、倫理」で受験する人はまず「政治・経済」や「倫理」を重点的に勉強しましょう。「公共」の参考書や問題集はまだあまり出回っていませんので、受験科目の「政治・経済」もしくは「倫理」の知識定着を深めた後に「公共」の勉強をしていきましょう!主に勉強しておいたほうが良い範囲としては、社会との関わりに必要な価値観や知識を勉強する必要が挙げられます。具体的には「カント、ベンサム、ロールズなどの倫理分野の人物の価値観」、「消費者問題や選挙制度、裁判員制度などの政治・経済分野で18歳成人に関する知識」は念入りに勉強しておいて損はないと思います。

 知識が定着してきた後は、共通テストの倫理や政治・経済の過去問を演習しましょう。新課程の公共はデータや資料と絡めた出題が多くあると予想されます。しかし、旧課程の共通テストにも資料読み取り、データ分析の問題は多くあるため、しっかりと過去問に挑戦していきましょう!

〇終わりに

 新課程で新たに導入される「歴史総合」や「公共」は共に授業を聞いて知識をつけることよりも、その知識を元に自分が主体的に考えることを重要視しています。そのため、共通テストでも主体的に考えることを重視した問題形式になることが予測されます。大学受験専門館でも新課程に対応した講座を多数用意してありますので、どんどん活用していきましょう!

〈文/開成教育グループ 大学受験専門館 天王寺教室 長瀬陸生〉