2025/06/23

【大学受験】失敗しない併願校の決め方~戦略的に志望校を増やすポイント~

 大学受験に向けて日々勉強に励んでいる皆さん、お疲れ様です!今回の記事では、「戦略的な併願校決定」について解説していきたいと思います。高3生や浪人生などの受験生はもちろん、高1・高2生の皆さんにとっても、早めに知っておくことが今後の進路選択に役立ちますので、ぜひ最後まで読んでみてください!

 

■併願校の基礎

併願校が重要になる理由

 併願校とは、第一志望校以外に受験する大学のことを指します。大学受験は、1度の試験に全てが懸かる真剣勝負です。どれだけ万全の準備をしていたとしても、当日の体調不良や緊張によるミス、予想外の出題など、予測できないトラブルに見舞われることは十分にあり得ます。こうした"想定外"の事態に備えるために、併願校の存在は極めて重要です。仮に、第一志望校だけに絞って受験し不合格となった場合、進路が一気に宙ぶらりんになってしまいます。精神的なショックはもちろん、その後に浪人や進路変更といった大きな決断を迫られることにもなりかねません。そうした事態を防ぐためにも、併願校は欠かせません。

 さらに、併願校を受験することには、本番前に入試の雰囲気を体験できるという意味でも大きな価値があります。実際の入試と同じ緊張感の中で答案を仕上げる経験は、第一志望校の受験時に落ち着いて実力を発揮するための良い練習になります。また、併願校の受験結果を通じて、自分の現在の学力を客観的に見つめ直し、学習の方向性を調整するきっかけにもなります。

 もちろん、併願校は「とりあえず受けておく場所」ではなく、たとえ第一志望に届かなくても「ここに通いたい」と思える大学であるべきです。納得できる選択肢を持っていることが、受験生自身の心の支えになり、安心感につながります。併願校は、ただの滑り止めではありません。もう一つの進路としての可能性を持ち、受験を安心して進めるための重要な土台となります。だからこそ、戦略的かつ前向きな姿勢で併願校を選ぶことが、後悔のない受験につながっていくのです。

第一志望と併願校の関係性とは

 第一志望校は、学びたいことや憧れといった強い思いを持って選ぶことが多いですが、併願校は「現実的な進学先」として自分の将来を支える存在でもあります。仮に第一志望に届かなかった場合でも、併願校が自分の興味関心や進路に合っていれば、納得して進学し、充実した大学生活を送ることができます。逆に、何となく選んだ併願校の場合、進学後にミスマッチを感じ、再受験や編入を考えることになるケースも少なくありません。つまり、併願校は第一志望の"代替"ではなく、もう一つの"本気の進路候補"として向き合うべき存在です。第一志望に対する気持ちを大切にしながらも、自分の将来を広い視野で捉えて併願先を選ぶことが、後悔しない受験と進路選択に繋がります。

 

■併願校を決める流れ:何校がベストなのか

国公立大志望の場合の併願校数の目安

 国公立大を第一志望とする場合、共通テストと二次試験に照準を合わせたうえで、私立大学を2~4校程度併願するのが一般的です。国公立の試験日は2月後半以降が多いため、それまでに私立大学の結果が出ていれば、選択の幅が広がります。受験校の組み合わせを工夫すれば、本番前の実力試しや安全策として役立てることができるので、日程・科目ともに無理のない範囲で受験しましょう。

私立大の場合の併願校数の目安

 私立大学を第一志望とする場合は、3~5校程度が目安です。学力や得意科目に応じて試験方式を選べるため、効率よく受験チャンスを増やすことができます。最近では共通テスト利用入試や複数日程での出願も可能になっており、戦略的に「同一大学の異なる方式で複数回」チャレンジする人も増えています。入試方式のバリエーションをうまく活用して、併願回数を確保しましょう。ただし、たくさん受けすぎて本命が「準備不足」とならないよう、自分の学力・志望度・日程のバランスを常に意識してください!

 

■まず押さえておきたい3つの基準

学びたい分野・将来のキャリアを軸に選ぶ

 大学選びでは、偏差値や知名度だけでなく、「自分が何を学びたいのか」「将来どんな仕事に就きたいのか」という視点が欠かせません。学部や学科ごとに学べる内容や研究テーマ、取得できる資格、就職実績は大きく異なるため、目指す進路に直結するかを見極めることが重要です。たとえ併願校であっても、自分の興味・関心と結びついていれば、進学後の学びやキャリアに対するモチベーションを高く保つことができます。将来を見据えた「納得できる進学先」を選ぶことが、受験の成功だけでなく、その先の人生にも大きな意味を持つのです。

偏差値や難易度の客観的評価

 模試の偏差値や過去問の得点を基に、合格可能性(安全校・相応校・挑戦校)を客観的に評価しましょう。難易度が高すぎる大学ばかりではなく、安全校や相応校もバランスよく選ぶことが重要です。現実的な合格ラインを見極めることで、より戦略的な受験計画を立てることができます。

試験科目や出題傾向を徹底分析

 大学ごとに試験科目や出題傾向は大きく異なります。同じ学部でも、記述式かマーク式か、計算問題中心か論述中心かなど、出題形式の違いによって得点率が変わる場合も多くあります。そのため、志望校や併願校の過去問に実際に取り組み、出題傾向を把握することが重要です。自分の得意分野や学習の進み具合とマッチする大学を選ぶことで、より効率よく合格を目指せます。第一志望対策と並行しやすい併願校を選ぶことも、受験全体の負担を軽減するポイントになります。

【個別試験の注意点】

2025年度の共通テスト変更に伴い、個別試験における出題科目にも変化が出る可能性があります。特に以下の2点は要注意です。

  • 文系学部において「数学C」が出題対象となるかどうかは大学により異なります。一部では「ベクトルのみ出題」など限定的な扱いとなっている場合もあるため、出題範囲を必ず確認しましょう。
  • 「地理歴史」「公民」の出題範囲も再編が行われています。「歴史総合」「公共」といった新科目との組み合わせで出題されるケースがあるため、各大学の最新の募集要項や入試ガイドで確認してください。

 

■学校推薦型・総合型選抜は活用すべき?

推薦入試と一般入試のメリット・デメリット

 推薦入試(学校推薦型・総合型選抜)は、早期に合否が決まるため、精神的な安定を得られる点が大きなメリットです。高校での成績や活動実績、面接・小論文などが評価対象となるため、学力試験が苦手な人にもチャンスがあります。一方で、出願条件が厳しく、準備に時間がかかる上に、専願型では合格後は原則としてその大学に進学することが前提ため、進路変更ができないというデメリットもあります。

 一方、一般入試は試験の結果のみで評価されるため、実力勝負がしやすく、より多くの大学にチャレンジできる自由度があります。ただし、試験日が集中しやすく、体力・精神力ともに大きな負担がかかるため、しっかりとした対策とスケジュール管理が求められます。それぞれの特性を理解し、自分に合った入試方法を見極めましょう。

併願利用の注意点

 推薦入試や総合型選抜を利用する場合、まず「専願か併願可か」を正確に把握することが重要です。専願は合格したら必ず入学しなければならず、他の大学を受験できない場合が多いため、計画的な出願が必要です。また、併願可能な場合でも、入学手続きの締切や合格発表のタイミングによっては、複数大学の入学金の重複負担やスケジュールの調整が難しくなることがあります。保護者とも相談し、経済的な負担や日程の兼ね合いを考慮して無理のない計画を立てましょう。さらに、推薦・総合型選抜は独自の対策が必要なため、準備不足にならないよう十分な時間を確保することも大切です。

 

■入試日程の組み方:連続受験回避とスケジュール管理

第一志望を中心にスケジュールを組むポイント

 受験スケジュールは、第一志望校を中心に構成するようにしましょう。前後に受験が集中しすぎると疲労が溜まり、本命校で実力が出せない可能性があります。無理のない日程を心がけ、休養日も適切に設けてください。試験会場への移動時間や宿泊の有無も考慮する必要があります。スケジュール全体をカレンダーに書き出して視覚化すると、調整がしやすくなりますよ!

遠方受験や複数試験日の注意点

 遠方の大学を受験する際は、移動や宿泊の手配を早めに行うことが重要です。交通機関の遅延や混雑に備え、余裕を持ったスケジュールを組んでおきましょう。宿泊が必要な場合は、宿泊先の確保も早めに済ませておくと安心です。

 また、同じ大学で複数の試験日が設定されている場合は、それぞれの日程の特徴や難易度を比較し、戦略的に出願日を選ぶことが大切です。入試日程が重なる場合は、どの試験を優先するかを明確にし、無理のない受験計画を立てましょう。さらに、複数の大学の合格発表日や入学手続きの期限が重なることもあるため、金銭面の負担やスケジュール管理には特に注意が必要です。保護者とも十分に相談し、万全の準備を心がけてください。

 

■難易度別・志望度別に併願校を選ぶコツ

安全校・実力相応校・挑戦校のバランス

 併願校は、自身の模試偏差値を基準に「挑戦校」「実力相応校」「安全校」の3段階に分類し、バランスよく出願するようにしましょう。安全校は確実に合格を狙える大学で、進学の安心材料となります。実力相応校は自分の学力とほぼ同程度の大学で、合格の可能性が高い一方、手応えも感じやすいです。挑戦校は偏差値や難易度がやや高めの大学で、合格すれば大きな自信とキャリアの幅が広がります。この3種類を配分し、多様な選択肢を確保することで、リスクを分散しつつ目標達成の可能性を高められます。

 

■まとめ|併願校を戦略的に選んで合格率アップを目指そう

 併願校の選定は、大学受験の合格率を高めるための重要な戦略です。第一志望校を軸にしつつ、現実的な選択肢を広げていくことが、安心感と実力発揮に繋がります。時間とエネルギーのかかる併願校選びですが、夏休みなど余裕のある時期に進めることで、第一志望合格にもつながる"盤石の戦略"を組むことが出来ます。困ったときは一人で悩まず、学校の先生や塾の講師にも積極的に相談してくださいね!この記事が、皆さんの受験準備や進路決定の助けとなり、合格への一歩を後押しできれば幸いです。

< 文/開成教育グループ 大学受験専門館 山口野々花 >

 

 

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