2024/03/04

関東 受験・進学情報だより【埼玉県 高校入試制度】

公立の中学校に通うご家庭には必ず訪れる高校受験。この高校受験、地域や時代で制度が変わるので、学校成績(通知表)がどう扱われるのかや入試本番の試験回数(何回受けられるの?)が想像と違っているかもしれません。

受験制度の概要を早いうちに理解しておくことで、対策が見えてきます。すべき対策を早期に行うことで、合格率が上がります。しっかり対策することで志望校合格を実現しましょう!

今回は、フリーステップの教室のある東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の高校入試制度を簡単に説明していきます。こちらの記事では埼玉県の解説をしていきます。

東京都編はこちら

千葉県編はこちら

神奈川県編はこちら

INDEX

埼玉県公立高校

受検概要

公立高校入試詳細

私立高校(埼玉)

受験概要

私立高校入試詳細

まとめ

埼玉県公立高校

受検概要

ここが気になる!

これが答え!

備考

受検可能回数

1回(※)

推薦入試などは無い。

入試は1回だが、合格者を決めるための選抜には内部的に23段階あり(発表は1回)

(※ 定員に満たない学校が二次募集を行うことがあります)

いつの内申点を使用するか

3年間の通知表を学校ごとに異なる比率で使用

1年:2年:3年=1:1:2 の学校もあれば、2:2:3の学校もある。

多くの学校が3年の成績の比率を高くしている。

調査書点の内訳

通知表+特別活動の記録+その他の項目

特別活動=委員会・生徒会・部活動

その他=検定など

調査書点:学力調査点

7337

学校ごとに違う + 1次選抜と2次選抜で違う

学区制

なし

県内どの学校への出願もできる

公立高校入試詳細

  • 一般入試

「一般入試」は調査書点5教科(英数国理社)各100点、合計500点満点の学力検査点で合否を判定する方式の入試です。
近年は2月の第4週で実施されています。
調査書点と学力検査点は学校ごとにことなる比率で計算されます(埼玉県教育委員会のWEBサイトで、各高等学校の選抜基準として公開されています)。

また、一度の試験に対し2-3回の基準の異なる選抜が行われるという特徴があります。たとえば、「内申の比率が大きい1次選抜」を行い合格者を選定したあと、「学力検査の比率が大きい2次選抜」を行いさらなる合格者を選定するような形です。発表は一度に行われます。

内申点は3年間のものを合わせて使用するので、1年生の時からの成績が重要になります。

  • 学校選択問題

一般入試の項目で説明した5教科(英数国理社)各100点のテストですが、基本的に全学校同じ問題(共通問題)を使用します。しかし一部の学校では、英数の2教科の問題に難度の高い「学校選択問題」を使用しています。2024年度入試においては以下の学校が英数において学校選択問題を採用しました。

浦和

浦和第一女子

浦和西

大宮

春日部

川口北

川越

川越女子

川越南

熊谷

熊谷女子

熊谷西

越ケ谷

越谷北

所沢

所沢北

不動岡

和光国際

市立浦和

市立大宮北

川口市立

これらの学校を志望する場合は、学校選択問題用の対策が必要になります。

私立高校(埼玉)

受験概要

ここが気になる!

これが答え!

備考

受験の主な種類

単願推薦・併願推薦・一般

すべて同日のことが多い

いつの内申点を使用するか

主に3年生の1学期もしくは2学期

基準

3教科(英数国)

5教科(英数国理社)

9教科(全教科)

模試成績

基本的に北辰テストの成績を使用

内申を最低基準として使用し、模試成績で推薦の可否を見る学校や、模試成績のみで見る学校も多い

私立高校入試詳細

順番に見ていきましょう。

埼玉県の高校受験で、絶対に知っておきたいのが単願推薦・併願推薦に関わる部分です。私立高校との個別相談の際、成績(内申+模試成績)を持参することで、合格可能性を判定してもらえます。気を付けておきたいのが、この個別相談はご家庭と高校の二者の間で行われるということです。中学校からは「決めましたか?」といった確認程度しかない場合もあるので、自分から積極的に高校に足を運びましょう。

  • 単願推薦

私立高校を第一志望にする際には基本的にこの単願で出願することになります。出願条件は基本的に内申+模試成績です。たとえば5教科で19、模試偏差値は3科で56のように基準が求められます。たとえ基準に届いていなくても個別に相談ができる場合があります。英検・漢検などの検定や部活での活動実績で加点してもらえるケースもあります。上で書いたように成績で判定してもらえ、高校側の定めた基準を満たしていれば合格の可能性は非常に高くなります。もちろん、第一志望であることが条件になりますので、単願は「合格したら入学する前提」での出願になります。
試験当日は3教科の学科試験と面接などを行う学校が多いです。

  • 併願推薦

第一志望が別にあるが、もしもそちらの学校に合格できなかった場合、併願優遇で出願した学校に入学します、という約束のもと有利な条件で出願できる方式です。

いわゆる「おさえ」のための制度だと考えると分かりやすいです。

出願条件は単願同様、内申点や模試成績です(単願よりも高い基準になっていることが多いです)。検定などで加点できる場合もあるのも同様です。

公立高校を第一志望にする方は、私立の併願校を1校確保しておいて、公立対策に集中するというのがスタンダードなやり方になります。

こちらも上で書いたように成績で判定してもらえ、高校側の定めた基準を満たしていれば合格の可能性は非常に高くなります。
試験当日は基本的に下記の一般入試と同じ試験を受けます。

  • 一般入試

学力テストにより合否が決まる方式の入試です。私立高校では一般的に英数国3教科での受験になります。

私立高校の入試は方式にかかわらず例年、1/22以降に行われます。

まとめ

  • 公立第一志望でも私立第一志望でも、内申点が重要!
  • まずは学校の定期テスト対策をしっかり行うのが大事です。
  • 私立の場合は、単願でも併願でも、検定の取得で有利になるケースがあります。

関東13県の高校入試制度を比べてみると、「東京では、公立の推薦があったり、英語のスピーキングテストがあったりする」「千葉では国語のリスニングがある」など、おのおの特徴がある一方で、「公立は内申点と当日の学力検査点で合否が決まる」「私立は単願・併願の推薦制度がある」「推薦のためには内申点を基準として使う」など似ている部分も多くあります。

どこでも言えることですが、普段の定期テストや提出物でしっかりと通知表の点数=内申点を取って、入試当日の試験で良い点を取るためには、普段の勉強の定着と入試対策が必要になってきます。

日々の勉強を頑張り、志望校の合格を勝ち取るために教室では教室チーフが相談に乗ってくれます。早め早めの対策をしていきましょうね。

<文/開成教育グループ 教育技術研究所 小川真史>