2026/03/23

関東 受験・進学情報だより【千葉県 高校入試制度】

 公立の中学校に通うご家庭には必ず訪れる高校受験。高校受験の制度は都道府県や時代によって異なるため、学校成績(通知表)の扱いや選抜方法が、想像していたものと違う場合も少なくありません。受験制度の概要を早い段階で理解しておくことで、必要な対策が見えてきます。早期から適切な対策を行うことで、合格の可能性は高まります。しっかりと準備を進め、志望校合格を実現しましょう!

 こちらの記事では、千葉県の高校入試制度について簡単に解説をしていきます。また、2027年度(令和9年度)入試からの入試変更点もまとめていますので、今後千葉県の高校入試を考えている方はぜひ参考にしてください。


※千葉県高校入試制度の「受験」表記に関して、本記事では千葉県教育委員会発表の入試要項等の記述に合わせ、「受検」の表記を使用しています。

INDEX

■2027年度入学者選抜からの変更点
■千葉県高校入試の日程と選抜方法
 2027年度入学者選抜の日程
 千葉県公立高校入試について
 千葉県私立高校入試について
■まとめと千葉県高校入試の重要ポイント

■2027年度入学者選抜からの変更点

 2026年度(令和8年度)入学者選抜までは、「話すこと・聞くこと」の領域に関して、「放送による聞き取り検査」のみで出題していました。2027年度(令和9年度)入試より、「放送による聞き取り検査」に代わり、話し合いの場面等を設定した文章による出題とすることで、「話すこと・聞くこと」の領域に関する資質・能力を複数の問題から見取ることができるように変更されます。

■千葉県高校入試の日程と選抜方法

 次に、日程と選抜方法の概要を説明していきます。

2027年度入学者選抜の日程

 2027年度の公立高校入学者選抜の日程は以下の通りです。日程をあらかじめ把握しておき、入試対策に役立てください。

2027年度(令和9年度)入学者選抜日程

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千葉県公立高校入試について


ここでは、主に一般選抜について説明します。

選抜資料の扱いと調査書について

一般選抜
千葉県の公立高校における一般募集では、学力検査の他に学校設定検査、また選抜資料として調査書が必要です。調査書は、9教科(英語、数学、国語、理科、社会、音楽、美術、保健体育、技術・家庭)の学習記録を基本として構成されます。

≪選抜方法≫ ●必須 

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2段階選抜について>
一般選抜について、学校によっては学力検査等と選抜資料の点数の比率を変えて、2段階選抜を行うケースもあります。2段階選抜では以下の係数を使用します。

k1...調査書の評定の全学年の合計値にkを乗じた数値に乗じる係数

k2...調査書の記載事項の加点に乗じる係数

k3...学校設定検査の得点に乗じる係数

k4...学力検査の成績について、後述の「※k4における係数」①及び②による数値に乗じる係数

これらから、内申を重視する選抜や学力検査を重視する選抜など、選抜方法に応じた特色があることが分かります。例を用いて、選抜の流れを見てみましょう。

(例) A高校 普通科 定員300名の場合

〈1段階目〉240名まで

【学力検査】100点×5教科 500

【調査書評定の合計】135点×k 135

【調査書の記載事項】25点を上限に加点 25

【学校設定検査】面接 30

【総得点】690

※多くの学校ではk=1。上位校を中心にk=0.5の学校がある他、一部高校でk=2.0にしている。

2段階目〉残りの60

k1k2k32とした場合

【学力検査】100点×5教科 500

【調査書評定の合計】135点×k×k1 270

【調査書の記載事項】25点×k2 50

【学校設定検査】面接 30点×k3 60

【総得点】880点(1段階目よりも調査書や面接を重視した選考が可能となる)

k4における係数

① 学力検査を実施した各教科の得点を合計し、「学力検査の得点」とする。

② 次の()()及び()の場合は、各高等学校が定めた倍率を用いて得点を算出することができる

(ア) 理数に関する学科(くくり募集※1を行う理数に関する学科は除く。)を志願する者については、 学力検査の数学及び理科の得点を1.5倍、又は2倍した値をそれぞれ数学及び理科の得点とみなすことができる。

(イ) 国際関係に関する学科を志願する者については、学力検査の英語の得点を1.5倍、又は2倍した値を英語の得点とみなすことができる。

(ウ) 三部制の定時制課程の学力検査を実施する教科を5教科(国語・社会・数学・理科・英語)と定めた高等学校を志願する者については、5教科のうち、志願者が出願時に申告した3教科の得点を13倍した値をそれぞれの教科の得点とみなすものとする。

※1...くくり募集:入学後1年間は全員が同じ教育課程で学習し、2年生から別科に分かれて授業を行うこと。

第2次募集
欠員発生時に実施され、面接は必須です。加えて集団討論・自己表現・作文・小論文・適性検査・学校独自問題などから各校が定めた検査を1つ行います。調査書と面接・検査の結果で選考されます。

選抜方法のポイント

・学力検査について

千葉県の公立高校の本検査は1回で、本検査は2日間の日程です。入試のチャンスは1回ですが、志願後に倍率発表を見て自分の志望校の倍率が予想よりも高い場合などに志願校の変更をすることができます。試験時間は、国数理社50分、英語のみリスニングテストを含めて60分となり、英語力を重視する傾向がうかがえます。また、2027年度入試から、国語の聞き取り(リスニング)問題に代わり、話し合いの場面等を設定した文章問題が出題されます。過去問での対策が難しいため、形式別問題集や模試を活用して、さまざまなパターンの問題に慣れておくことが大切です。

日程
2026年度(令和8年度)の学力検査のスケジュールは以下の通りです。
【第1日目(2/17)
国語・数学 各50
英語 60

【第2日目(2/18)
理科・社会 各50
学校設定検査 各学校設定時間

・面接対策

千葉県の公立高校入試では、多くの学校で面接試験が実施されています。面接試験の方法は、受検生1人に対して試験官が13人あたる個人面接、受検生とその両親を面接する保護者同伴面接、受検生45人で行うグループ面接があります。志望校の面接方法がどれにあたるかを必ず事前にチェックしておきましょう。

面接で重視すべき点
面接に臨む際に、意識しておきたいポイントを紹介します。
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態度・礼儀
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意欲
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服装・髪型
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言葉遣い
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人柄・性格
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表情
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正確な受け答え
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学校に対する理解

面接で質問されやすい内容
面接で質問されやすい内容については、あらかじめ回答を考えておき、本番に備えておきましょう。
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志望動機
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高校での目標
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将来の夢
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中学校の思い出
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クラブ活動
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趣味・特技
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自己PR
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得意・不得意科目
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日常生活
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校則・教育方針
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一般常識
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家庭学習・塾

千葉県私立高校入試について

私立高校の入試方式について説明します。入試方式は大きく分けて、【単願推薦】【併願推薦】【一般入試】があり、1月中旬から入試が始まります。

【単願推薦】は、合格したら必ず入学する約束での出願です。【併願推薦】は、他に第一志望がある場合に使用する方式で、第一志望に合格できなかった際にはそちらの高校に入学しますという約束のもとで優遇を受けられます。【単願推薦】・【併願推薦】では、通知表の評定や模試成績を用いた基準が設けられており、基準を満たしているかどうかを学校との個別相談で確認していきます。学校側が定めた基準を満たしていれば、合格の可能性は非常に高くなります。最後に【一般入試】は学力検査を中心に合否を判定する方式です。基本的に難易度は高くなると考えておきましょう。
入試方式を考える際のポイントは、まず私立を第一志望にするのか、公立を第一志望にするのかを決めることです。

私立第一志望の場合、基本的には【単願推薦】での合格を目標にします。単願推薦で出願するには内申点が重要であり、各高校・各コースで定められた基準を満たす必要があります。そのため、単願推薦を目指す場合は「学校の定期テストで高得点を目指す」ことが、合格に向けた学習方針になります。なお、内申点が基準を満たしていても、出願資格にとどまり、合否は当日の試験で決まる学校もあります(ただし、そのようなケースは一部の高学力層の学校に限られます)。また、内申点が基準に届かない場合でも、英検®などの検定取得によって加点がある学校も多いため、学校見学や個別相談の際に確認しておきましょう。

公立第一志望の場合は、当日の入試で目標点を取ることが最終目標です。ただし、公立入試は1回しか受検できないため、私立高校を併願して「進学先を確保する」ことが一般的です。したがって、公立志望の場合も、どの私立高校を併願するかを早めに検討しておく必要があります。
私立を併願する場合も【単願推薦】と同様に、内申点によって推薦を得られるかどうかが重要になります。そのため、公立志望の生徒でも、定期テスト対策を通じて内申点を上げることが大切です。そのうえで、2学期以降は内申点対策と並行して入試対策を進めていくことが重要なポイントになります。

私立高校入試でも、内申点が重要

前述したように、【単願推薦】と【併願推薦】では、通知表の評定を用いた出願基準を満たしていれば出願でき、出願できた場合は合格の可能性が非常に高くなります。
これらの入試方式では、学校・コースごとに出願基準が設けられており、通知表の評定の合計が用いられることが多いです。基準として用いられるのは、基本的に中学3年の1学期または2学期の評定です。学校によって、英数国の3教科、理社を含む5教科、全教科でみる9教科のいずれか(または複数)の基準が設定されています。

例えば千葉商科大学付属高校の2026年度入試では、以下の内申基準でした。
<千葉商科大学付属高校(2026年度入試)の場合>
・単願推薦
 普通科 特進選抜クラス:521
 普通科 総合進学クラス:519かつ312
 商業科:517かつ310
・併願推薦
 普通科 特進選抜クラス:522
 普通科 総合進学クラス:521

また、前述したように、学校によっては英検®・漢検・数検などの検定、部活動実績などで先ほどの内申基準に点数をプラスしてくれるところもあります。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
※このコンテンツは、公益財団法人 日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。

私立高校入試のポイント

千葉県の私立高校入試についてまとめると以下のようになります。
①単願・併願は出願できたら合格可能性は高い
 単願推薦・併願推薦は基本的に出願できたら合格になる可能性が高い入試方式です。

②内申点が重要
 出願できるかどうかの基準は内申点なので、通知表の評定は非常に重要です。

③検定や活動実績で有利に
 検定の取得や学校内外での活動実績が、内申点への加点として扱われる場合があります。

④公立が第一志望の場合は併願推薦で1校合格を確保して公立対策に集中
 公立を第一志望にする場合は、併願推薦で私立高校を1校おさえとして確保し、公立対策に集中するのが一般的です。

■まとめと千葉県高校入試の重要ポイント

・私立と公立では、入試日程や選抜方法が異なります。志望校がどのような選抜方法・入試日程なのか早めに把握し、学習スケジュールを立てていきましょう。

・公立第一志望でも私立第一志望でも、内申点は重要です。高い内申点を確保するには、まず学校の定期テスト対策を丁寧に行うことが大切です。

・中学3年生になる前から、内申点対策と並行して入試対策も始めましょう。過去問の傾向から逆算し、余裕をもって学習を積み重ねていきましょう。

 関東13県の高校入試制度を比べると、「東京では、公立の推薦があったり英語のスピーキングテストがあったりする」など、都道府県ごとに特徴がある一方で、「公立は内申点と当日の学力検査の得点で合否が決まる」「私立には単願・併願の推薦制度がある」「推薦では内申点が基準として用いられる」など、共通点も多く見られます。

どの都道府県でも言えることですが、通知表の評定(内申点)をしっかり確保し、入試当日の学力検査で得点するためには、日々の学習の定着と入試対策の両方が欠かせません。早めに準備を進め、入試当日に力を発揮できるようにしていきましょう。

<文/開成教育グループ 個別指導統括本部 教育技術研究所>