2024/09/02
関東 受験・進学情報だより【中学生の模試】
みなさんこんにちは。本日は、フリーステップの展開する関東の4都県の高校受験用の模試について説明したいと思います。模試って聞いたことはあるけど何なのかよく分からないという中学生の方はまずは下の枠内を読んでくださいね。また、最後に模試を受験する際の注意点も共有しますので、特に中3生はしっかり確認しておきましょう。
高校受験には、都道府県ごとに特徴があります。というのも、基本的に都道府県単位といった自治体によって「都立高校」や「県立高校」といった区分で学校が設置されていて、入試の方式や出題傾向を都道府県ごとに決めているからです。たとえば特徴的なものとして、千葉県立高校の入試問題には国語のリスニング問題(聞き取り検査)があります。これは千葉県が掲げている『学習指導要領に基づき、3領域(「話すこと・聞くこと」、「書くこと」、「読むこと」)の基礎的・基本的な力を身に付けているかをみることができるようにする』という方針に基づいているものと思われます。このように高校入試向けの模試というのは、その都道府県の傾向に合わせたものが必要とされるのですね。
高校受験生必見!おすすめの模試
今回紹介する模試は全て中学3年生用ですが、1・2年生のみなさんもいずれ必ず受けることになるので覚えておいてくださいね。因みに各都県の高校受験の特徴は、以前の記事(東京・埼玉・千葉・神奈川)で触れているので、ぜひご覧ください。
Vもぎ【東京】【千葉】
進学研究会の実施する模試です。以下の種類があります。
都立そっくりもぎ
その名の通り、都立高校の入試問題にそっくりの構成になっている模試です。過去問含めてたくさん解いているだけで都立入試対策になるほどです。8月以降はこの「都立そっくりもぎ」になります。それ以前の回は問題構成などが少し違った「都立Vもぎ」と呼ばれています。
県立そっくりもぎ
上記都立そっくりもぎの千葉県版。千葉県立高校入試では国語のリスニング(聞き取り)問題も出ますが、これにも対応しています。
都立自校作成対策もぎ
日比谷・戸山・青山・西・新宿・墨田川...などの、都立高校の中でも最難関の学校は独自問題を使用して入試を行います。これらの学校の受験を志す生徒に向けた模試です。英作文、数学の記述問題など、自校作成校でよくみられる形式と高い難度に対応した内容になっています。10月から1月の間に月1回ずつの開催と、都立そっくりもぎに比べると回数が少ないので、併用して実力を確かめていきましょう。
私立Vもぎ
東京都や千葉県の入試では併願優遇制度で非常に有利な受験をできることが多いので、私立高校受験のための勉強となると、難関校対策になることが多いです。そうした、難度の高い私立高校を志望する生徒のための模試です。
北辰テスト【埼玉】
北辰図書の実施する埼玉県向けの模試です。北辰テストの成績は私立高校の個別相談にも使用されることもあって、例年県内の9割以上の生徒が受験しています。埼玉県立入試問題の傾向や難度に合わせた問題で作られており、第7回(12月)以降は、難度の高い学校選択問題タイプ(英・数)も選べます。中1・中2向けの試験もあります。
神奈川全県模試【神奈川】
伸学工房が実施する神奈川県向けての模試です。神奈川県内約20,000人の中3生が参加する県内最大級の合格判定模試で、神奈川県入試問題の出題に対応しています。年間7回実施される模試で、国・私立に関しても受験型を「単願」「併願」「一般」「総合」と試験日別に分けて判定します。中1・2向けの試験もあります。
※その他東京ではWもぎ、千葉ではSもぎといった模試もあります。基本的にお通いの塾で申し込める模試を継続的に受けて、自分の成績の伸びや弱点を把握していくのが良いでしょう。
これらの地域密着の模試はその都県の入試問題の特徴を捉えた模試になっています。模試で試験形式を知り、授業・自習でその対応を学び、次の模試で出力し、授業・自習でできなかったことの修正を行い、入試本番!という形で受験対策を進めていくことになります。このサイクルを作っていくためにも、9月以降毎月1回は受験しましょう!
※1か月に複数回受験日が用意されていることもあります。学校見学などの日程が重なってしまったときにはありがたいですし、私立高校との個別相談で「一定以上の偏差値を取った成績表を2枚持っていく必要がある」際にも受験回数を増やせるので便利です。最低でも毎月1回、必要に応じて回数を増やすつもりでいましょう。
模擬試験を受けるときの心構え3か条
では、最後に模試受験時の注意点を共有しておきます。模擬試験は「腕試し」や「志望校判定」のためだけではなく、「実戦に慣れる場」「復習する場」「苦手な分野・得意な分野を明らかにする場」です。ですので、毎回の模試では十分に準備をして臨み、入試本番を想定して当日を過ごしましょう。
1.持ち物の確認
当日の持ち物に忘れ物がないか、必ず事前に準備をして確認しましょう。持ち物は次の通りです。
筆記用具:シャーペンの芯や消しゴムが十分にあるか要確認。
腕時計:試験会場に掛け時計がないという場合が多いです。時間計測のために必ず持参。
参考書・ノート・単語帳:試験の直前確認ができるものが望ましいです。
昼食:お昼をまたぐ模擬試験の場合。糖分補給用のチョコなども持参すると集中力持続に有効です。
2.時間配分を考えて試験に挑む ~事前準備と本番同様の解法手順を試す~
試験が開始されたら、すぐに問題全体に目を通しましょう。目を通すことで、どの問題を優先的に解くか、時間配分をどうするかといった見通しを立てることができます。
入試当日は、入念に準備をしたうえで時間配分や解答順序を決定して臨みますが、初めての模擬試験ではどんな出題がされるかわかりません。しかしながら、制限時間内に問題を解くためには、大問ごとに何分かけていくかを大まかに決めたうえで、解ける問題から順に解くようにしていくことがポイントです。
入試本番は思っている以上に焦ってしまったり、緊張から時間がかかってしまったりすることが多いものです。普段とは違う条件でも力が出せるように、事前の対策と、毎回の模擬試験で時間配分を意識して試験問題に取り組む習慣をつけておきましょう。
3.休憩時間の使い方も工夫する ~次の試験科目に集中するために過ごす~
試験は1日で複数の教科を解くわけですから、集中力を保たせていくことも必要です。ベストな状態で試験問題を解くためには休憩時間の過ごし方も重要なポイントなのです。
まず、疲れをとるために、「トイレ休憩」「目を休ませる」「糖分補給」といったことがおすすめです。そして、次の試験科目に向けて、次の科目の参考書やノートを休憩中に目を通すことです。次の試験科目内容に目を通すことで、脳がその科目を受け入れる準備をしてくれ、気持ちを次の科目へスイッチしてくれるようになるのです。
模擬試験の復習方法 模擬試験は受験した後が重要!
模擬試験を受ける最大の目的は、今後の学習を効率よく進めるための判断材料を見つけることです。自分にとっての課題点を発見して、その課題点を克服するための復習を徹底することが重要です。
模試の成績表には科目別、大問別、単元・分野別の全体の平均点と自分の得点が記載されています。このデータを活用して復習科目や復習単元の優先順位をつけていきましょう。最優先で復習しなければならないのは、「全体の正答率(平均点)が高いのにもかかわらず、自分は間違えてしまっている問題や単元」です。見つかった課題点はいつまでに出来るようにするかを決めて、効率的に復習に取り組みましょう。
目標を設定して模擬試験を受けよう
模試の復習をしたら、次回の目標を決めておきましょう。模擬試験は漠然と受けるのではなく、目的意識を持つことが大切です。
たとえば、時間配分を考えて問題に取り組む、簡単な問題から解くようにする、数学は何点をとれるようにするなどです。模試を受けるたびに成長し、実力アップできるように心がけていきましょう。
いかがでしたでしょうか。本日は関東の4都県の高校受験用の模試についてと模試受験時の注意点について紹介してきました。定期的に模擬試験を受けて、自分の苦手や改善点を把握して、志望校合格に1歩ずつ確実に近づいていってもらえたらと思います。
<文/開成教育グループ 教育技術研究所>