2024/04/15

関東 受験・進学情報だより【志望校の決め方:高校編】

皆さんこんにちは。

現在、中学生の何%が高校に進学するかご存じですか?

実は高校への進学率は97%以上もあります。ほとんど全員ということですね。

そんな高校ですが、これから高校受験を迎える皆さんの中には、「高校には当然行くつもりだけど、どこを選んだらよいかわからない」という人も多いと思います。

そこで今回は、主に今中学12年生の皆さんに向けて【志望校の決め方:高校編】をお話していきたいと思います。

志望校を決めるための一助になれば幸いです。

ポイントは地理的条件→学校の特色→難度、で絞り込んでいくことです。

INDEX

地域で絞り込む

学校の特色で選ぶ

難度で選ぶ

地域で絞り込む

日本全国の中学校の数は10,000校強、高校の数は5,000校弱です。(因みに大学は800校弱です)

先ほどの中学生のほとんどは高校生になるというお話と合わせると、基本的に高校は中学よりも規模が大きくなり、より広い範囲から生徒が集まると言えますね。

「地理的な条件」というのは、すべての人に関わるものです。まずは、どの範囲から志望校を選んでいくか考えます。

要は、通学時間にどのくらいかけられるのかということです。

多くの皆さんは現在徒歩で中学校に通われていると思います。だから、毎日電車で学校に通うというイメージがなかなか湧かないかもしれません。

そこで、一旦、世間の皆さんはどのくらいの通学時間なのかを見てみましょう。

都道府県別の高校生の通学時間をまとめたデータがあります。

全国的な統計では、片道平均43.4分とのことです。

(出典:学研教育総合研究所 https://www.gakken.jp/kyouikusouken/whitepaper/h201809/chapter4/05.html

当然地域差もあり、都道府県別に見ると最も通学時間が長いのは千葉県で、全体的に大都市圏では長時間になる傾向があります。これは交通網の発達との関係で、徒歩や自転車で片道50分はちょっと辛いですが、電車なら大きな問題はないということです。

お住まいの環境にもよりますが、まずは1時間で行ける範囲で考えてみましょう。
どんなに魅力的な学校であっても、基本的には家から通うわけですから、遠すぎると選ぶことはできなくなってしまいます。

今は地図アプリやインターネット上の地図サイトで経路検索が簡単にできますので、自宅から1時間でどこまで行けるのか確認してみましょう。 

ざっくりとしためやすをかいておきます。

今回は近くにフリーステップの教室もある練馬駅(東京都練馬区/23区の中では西部/地図上では山手線の輪の外左側/池袋駅から10分強の場所です)を起点にしてみましょう。

東京の東の拠点、足立区の北千住駅までは約40東の端である葛飾区の金町駅まででも50です。

志望校の選び方高校編画像1.png

東京の南の端、神奈川県との境に近い大田区の蒲田駅まで約60です。

志望校の選び方高校編画像2_2.png

西に目を向けてみましょう。東京都下(区以外の地域)の大都市八王子市の八王子駅まで約70です。繋ぎがうまくいくと1時間以内のこともあります。

志望校の選び方高校編画像3.png

北西に向かい埼玉方面では、川越市の川越駅まで約45

最後に北に向かってみましょう。さいたま市大宮区の大宮駅まで約45です。

志望校の選び方高校編画像4.png

高校に上がると、行事や部活動も本格的になります。学校から出る時間が遅くなることが多いのです。そうすると、通学時間が長いほど帰宅時間も遅くなり、勉強時間の確保が難しくなったり、部活動への熱意を保てなくなったりしがちです。

そういった点からも片道60分程度までというのをひとつの「めやす」としてお伝えしておきます。

細かい部分は学校を絞り込んだ後に見ていけばいいですが、都心に向かうのか遠ざかるのかで混雑具合が変わってきますし、乗り換え回数の多い少ないで万が一のトラブルへの対応も変わってきます。こういった部分も検討ポイントに入れたいところです。

Point!

校舎から離れたところに広い運動場を持っている学校もあります。部活によっては、毎回その運動場を使うことになりますので、高校でやりたい部活が決まっているという場合などは、学校のウェブサイトで施設や部活の紹介をよく見ておきましょう。

地理的な条件を決めたら、次に以下のような観点で考えてみましょう。

学校の特色で選ぶ

高校の場合、大きな選択肢としては「公立」なのか「私立」なのかがあります。

公立高校は都県や市が運営する学校です。

それに対して私立高校は個人や企業が設立して学校法人が運営する学校です。

ごく簡単なイメージをお伝えすると、公立には学費が安いというメリットがあり、私立は学費が高い分施設面で優れているというメリットがあり、また校風や教育方針が多様です。

一概に良い悪いで表せるものではないので、以前紹介した高校入試制度(東京編/埼玉千葉編/神奈川編)とともに判断材料にしてください。

公立・私立といった違いは学費・設備・入試方法などにかかわってきますが、その他にもいろいろな観点があります。

進学実績で見ることは重要です。進学実績というのは、その高校を卒業した先輩方がどのような進路を選んだかということです。高校から先、大学・短大・専門学校・就職と、自分で進路を選ぶことになります。たとえば漠然とでも大学に行きたいなという場合は、大学への進学実績が非常に重要になります。なぜなら、どの高校に入るかで大学への行きやすさが激変するからです。学校の進学へのサポート体制、周囲の雰囲気、授業内容などは学校で大きく変わります。高校選びは大学選びと同じといっても過言ではありません。

大学への付属校も人気です。人気の大学の付属校は入試の難度も高いですが、中で頑張ればその大学への内部進学ができるというのは大きな魅力です。

部活動を重視したいという生徒さんもいるでしょう。今と同じ部活を頑張りたいですか? それとも高校で新たな部活に入りたいですか? 中学校にはあまり設置されていない部活というのもあります。たとえば「写真部のある学校」のような視点で学校を絞り込んでいくことも可能です。

制服で選びたいという生徒もいます。3年間気持ちよく過ごすというのは大事な観点だと思います。校風の合う・合わないといった部分も同様です。これらは高校生活を取り巻く環境と言ってよいでしょう。

こういった情報は、学校説明会・各高校のウェブサイト・パンフレットなどで調べます。

複数校を比較したいときには、高校受験案内の厚い本がフリーステップ各教室に置いてありますし、本屋さんにも売っていますのでこれを利用しましょう。

自分の重視する項目を軸に、こういった要素を組み合わせて高校を絞り込んでいきましょう。

Point!

公立・私立以外に「国立」も少数ですがあります。国立大学の付属であることがほとんどですが、私立でいう付属とは位置づけが違い、大学への内部進学は(ほぼ)ありません。教育実験校という趣の強い学校になっています。
また、高等専門学校、いわゆる高専という進路もあります。主に工業系の専門性の高い授業を行う5年制の中等教育機関です。なお、高専を卒業後の進路ですが、専攻に進んだり、大学に編入したりすることで大学卒と同等の学歴にすることができます。

難度で選ぶ

最終的にはどの学校を選んだとしても、その学校の提示する基準をなんらかの形で超えて入学しなければなりません。あまり自分の実力とかけ離れた学校を選んでも、希望を叶えることができなくなってしまいます。

この難度を表す重要な指標が"偏差値"です。偏差値は模試で測っていくことになります。

中学生の模試については以前記載していますのでぜひご覧ください。

関東 受験・進学情報だより【中学生の模試】 | (freestep-walker.com)

一般的に、中学2年生の1月時点の偏差値から+5くらいの学校までが適正な範囲と言われています。中学3年生になると、みんな一生懸命に受験勉強を開始します。周囲も頑張っている状態では偏差値はなかなか上がりにくくなります。

反面、みんながまだ頑張り始めていない時には成績は伸びやすいです。

勉強を早めに始めるメリットはここにあります。

Point!

当然と言えば当然ですが、進学実績のよい学校は偏差値も高いです。
この2つの要素は基本的に比例関係にあります。
ただし、現役合格率という数字はぜひ見てみてください。浪人せずに合格した割合のことです。大学入試は厳しいので、高校卒業までに進路が決まらないということが起こりますが、そこで一浪を選べるかどうかはご家庭ごとに方針が違うと思います。そうなると、絶対現役合格といった希望も出てくるのではないでしょうか。その場合は現役合格率の高い学校を選ぶべき、となります。

今回は地理的条件→学校の特色→難度という選び方を紹介しましたが、実際にはこれらがある程度並行して情報として入ってくると思います。あまり情報が多いと自分でも自分の希望が分からなくなってしまいがちなので、ちょっと迷ったときはあらためてこの基準で整理し直してみるといいと思います。

そして、これらの条件で絞り込んだ学校は必ず直接見に行ってください。

実際に行くことで経路を確認するとともに通学のイメージを掴みやすくなります。

いろいろな学校を見ていくうちに「絶対にこの学校に行きたい!」となるかもしれませんし、逆に「ちょっと思っていたのと違った」となるかもしれません。そうなったら別の候補を見に行ったり、探し直したりする必要が出てきますが、これはあまりぎりぎりの時期になるとできません。

だからこそ、早めに動きましょう!

フリーステップでは、時期ごとの三者面談や、イベントを通して、皆さんの進路決定を助けます!

自分の希望する進路をしっかりと決めてそれを勝ち取りましょう!!

<文/開成教育グループ 教育技術研究所 小川真史>