2022/02/07

2022年度 共通テスト分析【国語編】

大学受験生の皆さん、共通テストお疲れ様でした。手応えはいかがでしたか?

本年度の国語の問題について、傾向を確認していきます。

今年の受験生はもちろん、来年受験する学年の人たちもしっかりと参考にしてもらえればと思います。

 

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〈全体の構成〉

例年通り、第一問が論説・評論、第二問が小説、第三問が古文、第四問が漢文という構成でした。

文章量や設問の分量は昨年と大きく変わっていません。マークの数はやや減少していますが設問数に変化がないので、全体としてみればほとんど昨年と変わらない分量であると考えてよいでしょう。

出題傾向としては、昨年に引き続き複数の文章や資料を比較、紐付けして解いていく必要のある問題が多く出題されています。構造的な思考力・読解力が必要となる問題ですので、昨年と比べやや難しくなっているといえます。

とはいえ、急激に難化したといったこともありませんので、落ち着いて取り組めば対応できる問題であったといえるでしょう。

第一問 論説・評論

第一問は、「食べる」ということについての文章が二題提示され、それぞれについての漢字・読解問題と両方の文章を絡めて解く問題が出題されました。前年からの変化としては、二つの文章を要約した【メモ】の穴埋め問題が出題されたことと、漢字の問題に意味を問う出題があったことの二点が挙げられます。

【メモ】の問題を解くにはどちらか片方の文章が理解できているだけでは足りず、両方の文章に示された主張の共通点や相違点を明確に理解する必要があります。まったく異なる例を用いて示された「食べる」ことについての文章から、著者の考えを的確に読み取る力が問われます。

また漢字の問題においては意味を問う問題が出題されました。熟語を構成する漢字がそれぞれどのような意味をもつのかを知っておかなければなりません。漢字のもつ意味を理解した上で、熟語の意味も理解しておく対策が必要となります。

第二問 小説

第二問は現代の小説文の読解問題で、【ノート】を用いた応用問題などが出題されました。前年からの変化としては、言葉の意味を問う問題の出題がなかったこと、歳時記などを絡めた【ノート】において、本文から発展した思考問題が出題されたことの二点が挙げられます。

例年出題されていた言葉の意味を問う問題ですが、第一問で漢字の意味問題が出題されたことでなくなったと考えられます。来年からもこの形式が続行される可能性もありますが、前年までの形式に戻る可能性もあるため、引き続き慣用的な語句の意味を覚えておくようにしましょう。

【ノート】の出題では、本文中の「案山子」「雀」という単語から発展して俳句や国語辞典を用いた出題がされています。本文における読解力だけでなく、提示された【ノート】内の情報と紐づけたより応用的な思考力を求められている問題です。文章の表面的な表現だけでなく、それが実際どういう意味で書かれているのかまで考える癖をつけましょう。

 

第三問 古文

第三問は、『増鏡』と『とはずがたり』の二つの文章から出題されました。前年からの変化としては、ジャンルの違いによる文章の違いに着目した空欄補充問題が出題された点が挙げられます。

二つの作品から抜粋された文章ですが、どちらも同じ歴史的場面を描いた文章になっています。同じ場面が文章のジャンルの違いでどう描き分けられているのか、ということを文章を読んで的確に捉える必要があり、文法的な部分のみならず文章全体の雰囲気を捉える力も求められています。

また、言葉の意味を問う問題も例年通り出題されているため、古文単語をしっかりと覚えておきましょう。

第四問 漢文

第四問では、漢詩と文章の組み合わせが出題されました。前年や前々年から引き続き、漢詩の問題が出題されています。センター試験の頃と同じ、書き下し文を選択する規則の問題が出題されている点は前年と変わらず、文法的知識が問われています。また、漢字の意味を問う問題も例年通り出題されているため、読解のみならず文法や単語をしっかり固めておく必要があるでしょう。

漢文に関しては、前年からの大きな変化は見られません。例年通りの対策で十分に対応できる問題だったといえます。

〈まとめ〉

全体として分量に変化はありませんが、より文章を要約する力や文章を深く理解する力が必要とされる問題が出題されました。

評論文においては、文章の要約を練習しておくことをお勧めします。タイプの違う二つの文章から共通点や相違点を探すには、両方の文章の主張の概要を理解しなければならないためです。

小説文においては、文中の象徴的な言葉が何の暗喩になっているのか、何を示唆しているのかといったことを考えながら読む練習をしましょう。今年度の【ノート】のような問題の対策に有効です。

古文では、文法理解だけでなく文章の特徴や表現の特徴を見極められるようにしておく方がよいでしょう。可能な限り多くの古文の文章を読み、文章に慣れることが大切です。

漢文は、ほとんど例年通りです。漢詩について復習しておくことと、文法をきっちり覚えておくことは最低限やっておきましょう。

いかがでしたか?以上の点に注意して、文章を読み理解する力を磨き上げていきましょう。

 

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<文/開成教育グループ 個別指導部 フリステウォーカー講師編集部:浅田 朋香>