2022/02/21

共通テスト、解いてみた!<化学>

講師編集部の岡市紗典です。今回は2022年度の共通テストを解いてみたのでその感想を講師目線でお伝えします、受験生に戻ったつもりで共通テストに挑みました!

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  • 第一印象

いざ試験開始!まずはパラパラと問題をチェックします。大問は全5問で順に、物質の性質、化学変化、無機化学、高分子化合物、有機化学と並んでおり、センター試験と細部は違うものの、そこまで大きな違いは感じません。

  • 解いてみて

解き進めていくと、一問一答問題や計算問題、物質の製造法(アンモニアソーダ法)に関する問題といった、センター試験でも出題されていた形式の問題が7割前後という印象で、そういった形式の問題は難易度についても大きく異ならないと感じました。ただ、大問1の非晶質(アモルファス)についての詳しい知識を問われる問題は難しいと思います。センター試験との違いを感じたのはグラフが出てくる問題です。これについて次の項で詳しくご紹介します。

  • グラフ問題について

センター試験と大きく異なると感じたのはグラフ問題です。センター試験でも、計算問題でグラフから数値を読み取りその値を使って計算する、というような問題は出題されていましたが、出てくるグラフはいくつか種類が決まっていました。例えばグラフの横軸に反応物の質量、縦軸に生成物の質量を取ったようなグラフで、縦軸と横軸が表すものがパターン化されていました。そのため、受験生はグラフを見てすぐにグラフのどこの値を読み取ればいいかを理解することができました。しかし今回出題されたグラフは、横軸に反応物の物質量、縦軸に生成物の質量の相対値が表されており、棒グラフとして表されていました。ほかに出題されたグラフ問題でも縦軸や横軸の表す値が特殊で、落ち着いて考えれば難しい問題ではないですが、時間制限のある中では面食らった受験生も多いのではないでしょうか。

  • グラフ(が表す関係)を読み解く力

 先ほど紹介した通り、共通テストではグラフから値を読み取るだけでなく、グラフの縦軸と横軸が表す値を見て、そのグラフが表す関係(何についてのグラフか)を判断する力が求められました。この力は本当に重要で、大学進学後、多くの理系学生は1年生から実験をすることになります。実験で得られたデータは表や、特にグラフを使って表しますが、その際に「グラフの縦軸と横軸が表すものは何か」を理解し、表記する必要があります。その他にも卒業研究などの研究活動では、先行研究として論文を読むことになりますが、論文には多くのグラフが掲載されており、そのグラフが表すものを理解し、判断することが求められます。以上のように、グラフを読み解く力は大学進学後も求められ、かつ磨いていく力です。受験勉強の過程でその力を十分に身につけることができれば、当然合格に繋がるだけでなく、理系学生として素晴らしいスタートを切ることができると思います!

 

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<文/開成教育グループ 個別指導部フリステウォーカー講師編集部:岡市紗典>