2026/04/13

2026年度 大学入学共通テスト 国語 ~過去問研究から傾向・対策を知る~

 大学入学共通テスト(以下、共通テスト)は、「知識・技能の活用」や「学習の過程の重視」という問題作成方針に沿って作られています。複数の文章・資料・図表を読み取り、教科書で学んだ知識と結びつけて解答を導く力や、得た情報を組み合わせて多面的に考える力が広く求められます。2026年度入試の共通テストでは、物理が過去最低の平均点を記録し、情報Ⅰも難化するなど科目間の変動が見られ、受験生には出題形式の変化に動じない冷静な対応力が求められました。本記事では、今年度の出題傾向と科目別の特徴を整理し、今後の学習にどう生かすかをわかりやすく解説します。

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英語 数学 理科①(物理・化学) 理科②(生物・地学) 地理・歴史 公民 情報Ⅰ

国語 試験時間90分 満点200

問題構成(過去2年間)

2025年度に比べて、設問数は2つ増加し、解答数は1つ減少しているが、各大問の配点に変更はない。

・実用的文章の資料でこれまで多く出題されていたグラフの読み取りが、2026年度は出題されていない。

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2026年度 本試験問題分析

【1】<評論>「『贈与』としての美術・ABR(櫻井あすみ) 《解答数:10 配点:45点 難易度:標準》

漢字の問題は2025年度と同様に大問1から5問出題されている。文章の分量は例年並み。2025年度と同様に生徒の会話やノートからの読み取りはなく、本文からの読み取りのみである。内容は筆者の幼少期の経験にもとづく芸術論で、抽象的な内容になっているため読みづらさが感じられるが、本文の主旨がつかめていれば解きやすい選択肢構成となっている。

【2】<小説>「影に対して」(遠藤周作) 《解答数:7 配点:45点 難易度:やや易》

本文からの読み取り問題が中心となっているが、ノートや生徒の会話を活用した問題も登場する。本文の文章量は例年並みだが、ノートに作品の他の部分からの抜粋が含まれるため、全体的に見ると増加している。選択肢の正誤が本文内容から判断しやすく、難易度はそれほど高くない。

【3】<実用的文章> 《解答数:5 配点:20点 難易度:標準》

[資料Ⅰ]『科学絵本のアプローチ』(山形昌也氏へのインタビュー記事)

[資料Ⅱ]『イワシ むれで いきる さかな』(大片忠明)

[資料Ⅲ]『世界はイワシでできている?』(東京水産振興会)

 【文章】の修正や加筆に関する問題が中心で、2025年度と傾向は似ている。2025年度に出題されたグラフの読み取りは見られなかったが、資料中の図の視覚情報を検討する必要がある問題が含まれており、文章内容と視覚情報の双方を理解する力が求められている点は変わらない。そのため、各資料を適切に組み合わせながら、客観的に情報や文章を読み取る力が必要である。

【4】<古文>「うつほ物語」 《解答数:7 配点:45点 難易度:やや易》

 2025年度とは異なり、出典は1つのみである。ただし、問題の後半に本文の後日の会話が追加される構成となっている。【人物関係図】が示されているため、これを効果的に活用したい。古語や文法の基本事項をおさえ、物語の展開を正確につかめば、選択肢の正誤は比較的判断しやすい。

【5】<漢文>「松陰快談」(長野豊山) 《解答数:8 配点:45点 難易度:やや易》

大問4と同様に出典は1つであるが、最後に本文の別の部分が追加される形式である。(注)が多く、複雑な設問形式は見られないうえに、紛らわしい選択肢も少ないため、難易度はそれほど高くない。本文中の語句の意味を問う問題など、読解力を重視した設問が中心となっている。

●大問別時間配分・解答順序

【1】20分→【2】20分→【3】15分→【4】15分→【5】15分→【見直し】5分

入試対策(学習のポイント・入試本場までのスケジュール)

■学習プラン(高2~高3夏)

まず、現代文の漢字や重要語彙、古文の単語や文法、漢文の句法といった基本知識は、高3の夏休みまでに固めておきたい。単語帳や参考書の知識を詰め込むだけでなく、多くの文章に触れ、その中の「生きた表現」に注意を向けていくことが大切である。内容理解に重点を置いた読解演習もこの時期に行っておきたい。わからない部分を放置せず、読解演習を通して実戦的な国語力を身に付けていくことが、この時期は最も重要である。これらを意識しつつ、現代文・古文・漢文のいずれも、遅くとも高3の夏休みが終わる頃までに少なくとも各1冊、基礎~中堅私大入試レベルの読解問題集を解き終えておく。

新課程では「実用的文章」が出題され、文章内容に加えて(図像・図表などの)視覚情報も含めた理解が求められる。新聞やインターネットなど、文章と視覚情報が組み合わさった資料に日頃から触れておきたい。またこのタイプの問題に慣れるために、高3の夏前後から試作問題や模試、予想問題などを通して実用的文章の様々な出題パターンに触れ、対応できる幅を広げておくことも重要である。

■学習プラン(高3夏以降~入試直前)

高3の夏休みが終わる頃から共通テストを想定した問題演習に進んでいく。国語はセンター試験を踏襲した形式の出題が多いため、センター試験の過去問演習も効果的である。同時に、新傾向である「1つの大問で複数の出典を伴う形式」の問題演習もできるだけ多く行う。この時期の演習では時間配分にも注意し、演習を通して「速く正確に」解く方法を確立させる。

出典一覧(過去10年)

●現代文

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●古文

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●漢文

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いかがでしたでしょうか。

2026年度入試の共通テストでは、2026年度で2年目を迎えた情報Ⅰの平均点は56.59点と、前年より12点以上下降しました。また2年連続で難化した物理が過去最低の平均点を記録する一方で、化学が易化するなど、科目間の変動が見られました。こうした難化の背景には、単なる難易度だけでなく、出題傾向の変化に戸惑って手が止まり、時間不足に陥るといったメンタル面の影響も無視できません。例えば数学Ⅰの大問1では、従来のような「数と式」分野ではなく、文章量の多い「集合」の問題が出題されるなど、出題パターンに変化がありました。ただし、今年度の問題も基本的な知識を問う内容であり、落ち着いて取り組めば十分対応できるはずです。

対策としては、標準的な知識の習得は大前提ですが、特定の解法パターンへの依存は禁物です。パターンが変わる可能性を常に意識し、イレギュラーな出題形式にも動じない「本質的な理解」と「知識を使いこなす力」を日頃の学習から養っておくことが、共通テスト攻略の鍵となります。

本科目だけでなく他科目も参考にして、多くの合格を勝ち取りましょう。

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英語 数学 理科①(物理・化学) 理科②(生物・地学) 地理・歴史 公民 情報Ⅰ

<文/開成教育グループ 個別指導統括本部 教育技術研究所>