2026/04/13

2026年度 大学入学共通テスト 情報Ⅰ ~過去問研究から傾向・対策を知る~

 大学入学共通テスト(以下、共通テスト)は、「知識・技能の活用」や「学習の過程の重視」という問題作成方針に沿って作られています。複数の文章・資料・図表を読み取り、教科書で学んだ知識と結びつけて解答を導く力や、得た情報を組み合わせて多面的に考える力が広く求められます。2026年度入試の共通テストでは、物理が過去最低の平均点を記録し、情報Ⅰも難化するなど科目間の変動が見られ、受験生には出題形式の変化に動じない冷静な対応力が求められました。本記事では、今年度の出題傾向と科目別の特徴を整理し、今後の学習にどう生かすかをわかりやすく解説します。

他科目はこちら
英語 数学 国語 理科①(物理・化学) 理科②(生物・地学) 地理・歴史 公民

情報Ⅰ 試験時間60分 満点100

問題構成(過去2年間)

2025年度と同様、大問4つの問題構成となっている。しかし、各大問で解答数は増加しており、より試験時間を意識して解く必要がある。

2025年度と同様に多くの文章・図を読み取って解答する問題が出題される中で、2025年度よりも深い知識・思考力を問う問題も出題されているため、2025年度よりも難化傾向。

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2026年度 大問別問題分析

【1】小問集合《解答数:15 配点:20点 難易度:やや難》

4つの小問からなる小問集合。問1はコンピュータの仕組みと情報セキュリティに関する知識問題。問2はクロスステッチを題材とするデジタル化の計算問題。問3はスクロール操作のデザインに関する考察問題。問4はメール送受信の仕組みに関する知識問題。問2と問3は、問題文の理解と論理的思考力が必要とされる。

【2】

[A]情報ネットワークとデータの活用《解答数:9 配点:15点 難易度:標準》

住民証明の情報システムを題材とした問題。問1から問3のいずれの問題でも、情報システムを比較し、異なる特徴を答える問題が出題されている。これに加えて、問2では情報システムの構成に関する考察問題も出題されており、いずれの問題も情報システムに関する理解と論理的思考力が必要とされる。

[B]情報デザインとプログラミング《解答数:8 配点:15点 難易度:やや難》

デジタル化をテーマとした問題。問1は与えられている条件の理解度を測る問題。問2は論理演算子の理解度を測る問題。問3はヒストグラムに関する論理的思考力を問う問題。問4は問2をふまえて、より高度な理解度と論理的思考力を測る問題。いずれの問題も、問題文の理解と論理的思考力が必要とされる。

【3】プログラミング《解答数:15 配点:25点 難易度:標準》

待ち時間を題材としたプログラミングに関する問題。問1は与えられている条件の理解度を測る計算問題。問2はソースコードの穴埋め問題。問3はソースコードの穴埋めと、ソースコードの改良に関する問題。問2は問1の内容を理解できている場合、解答は難しくない。問3は問2より少し複雑なプログラミングが扱われており、やや難しい。問2、問3ではアルゴリズムとプログラミングへの理解が必要とされる。

【4】データの活用と分析《解答数:13 配点:25点 難易度:標準》

桜の開花日を題材とした、複数の図や表から読み取れる内容について考察する問題。問1はオープンデータとその読み取りに関する知識問題と、グラフ作成に関する考察問題。問2は表から読み取れる内容を考察する問題。問3は散布図や箱ひげ図から読み取れる内容を考察する問題。問4は回帰直線による補正を用いた考察問題。問2から問4は、図や表から読み取れる内容について論理的に考察する力が求められる。

●大問別時間配分・解答順序

【1】12分→【2】15分→【3】15分→【4】13分→【見直し】5分

入試対策(学習ポイント・入試本番までのスケジュール)

■学習プラン(高2~高3夏)

解答に必要な知識は教科書の範囲内に限られているため、まずは教科書に載っていることを体系的に身につけたい。ただ、知識を必要とする問題より、論理的思考力を必要とする問題が多いため、論理的思考力を高める必要がある。『高校SPIRAL 情報Ⅰ』(日本教材出版)を用いて学校の授業と並行して予習・復習し、学校の傍用問題集を用いて学習済みの範囲を復習しておく。

■学習プラン(高3夏以降~入試直前)

初見の問題でも解答できるように、いろいろなタイプの問題に触れるとよい。『マーク式基礎問題集 情報Ⅰ』(河合出版)で分野ごとに問題演習し、苦手な分野を重点的に復習しておきたい。入試直前は『共通テスト総合問題集 情報Ⅰ』(河合出版)や『大学入学共通テスト実戦対策問題集 情報Ⅰ』(旺文社)を活用し、入試形式に慣れておきたい。

出題分野(過去10年間) ※2024年度以前は「情報関係基礎」のデータ

・アルゴリズム、プログラミングは必ず出題されている。

・知識としての暗記のみではなく、論理的思考力を必要とする問題が多い。

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いかがでしたでしょうか。

2026年度入試の共通テストでは、2026年度で2年目を迎えた情報Ⅰの平均点は56.59点と、前年より12点以上下降しました。また2年連続で難化した物理が過去最低の平均点を記録する一方で、化学が易化するなど、科目間の変動が見られました。こうした難化の背景には、単なる難易度だけでなく、出題傾向の変化に戸惑って手が止まり、時間不足に陥るといったメンタル面の影響も無視できません。例えば数学Ⅰの大問1では、従来のような「数と式」分野ではなく、文章量の多い「集合」の問題が出題されるなど、出題パターンに変化がありました。ただし、今年度の問題も基本的な知識を問う内容であり、落ち着いて取り組めば十分対応できるはずです。

対策としては、標準的な知識の習得は大前提ですが、特定の解法パターンへの依存は禁物です。パターンが変わる可能性を常に意識し、イレギュラーな出題形式にも動じない「本質的な理解」と「知識を使いこなす力」を日頃の学習から養っておくことが、共通テスト攻略の鍵となります。

本科目だけでなく他科目も参考にして、多くの合格を勝ち取りましょう。

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<文/開成教育グループ 個別指導統括本部 教育技術研究所>