2025/05/26

2025年度大学入学共通テスト科目別分析~過去問研究から傾向・対策を知る~【情報編】

 大学入学共通テスト 科目別分析は、大学入学共通テストの対策について、「何から始めて、どう進めるのか」を正しく理解してもらうことを主目的としています。今後の共通テスト対策をより効果的・効率的なものにするために、2024年度と2025年度の問題構成の比較や、2025年度の大問別問題分析、そして高校2年生からの入試対策を掲載しています。

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数学 英語 国語 理科①(物理・化学) 理科②(生物・地学) 地理・歴史 公民

 

情報Ⅰ 試験時間60分 満点100

問題構成(過去2年間 ※情報関係基礎との比較)

●大問数は4問、設問数は18問であり、試作問題と大きな変化なし。難易度は標準レベル。

●「コンピュータとプログラミング」、「情報通信ネットワークとデータの活用」に関する出題が大半を占めている。また、知識を必要とする問題より、論理的思考力を必要とする問題が多い。計算問題もいくつか出題されていたが、予備知識を必要とするものではなく、論理的に考えることができれば解ける問題が中心となっている。

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2025年度 大問別問題分析

1】小問集合 《解答数:11 配点:20点 難易度:標準》

 4つの小問からなる小問集合。問1は情報セキュリティと通信プロトコルに関する知識問題。問2は7セグメントLEDを題材とする組み合わせに関する計算問題。問3はチェックディジットを題材とする論理的思考力を必要とする問題。問4はGUIのデザインに関する考察問題。問2から問4までは、問題文の理解と論理的思考力が必要とされる。

2

A]情報ネットワークとデータの活用 《解答数:9 配点:15点 難易度:標準》

 スーパーマーケットの情報システムを題材としている。問1は分析の目的に合う情報項目を選択する問題。問2はデータ分析の限界に関する理解度を測る問題。問3は情報システム内での情報の流れに関する考察問題。問4はデータ活用に関する考察問題。いずれの問題も情報システムに関する理解と論理的思考力が必要とされる。

B]モデル化とシミュレーション 《解答数:7 配点:15点 難易度:標準》

シミュレーションをテーマとした問題。問1は与えられた条件の理解度を測る問題。問2はシミュレーションの結果に関する考察問題。問3は選択肢の各パターンについて考察する問題。ほとんどの問題において、問題文の理解と論理的思考力が必要とされる。

3】プログラミング 《解答数:12 配点:25点 難易度:やや難》

 工芸品の製作を題材としたプログラミングに関する問題。問2、問3はソースコードの穴埋め問題。問2は問題文が理解できていれば解答は難しくない。問3は問2より少し複雑なプログラミングが扱われており、やや難しい。問2、問3ではアルゴリズムとプログラミングへの理解が必要とされる。

4】データの活用と分析 《解答数:12 配点:25点 難易度:標準》

 複数の図や表から読み取ることが出来る内容について考察する問題。問1は尺度水準に関する知識問題と棒グラフや帯グラフから読み取れる内容を考察する問題。問2は散布図や相関係数から読み取れる内容を考察する問題。問3は2種類の散布図におけるデータ点の関係を考察する問題。問4は散布図と箱ひげ図から読み取れる内容を考察する問題。いずれの問題も図や表から読み取れる内容について論理的に考察する力が求められる。

●大問別時間配分・解答順序

1 12分→【2 14分→【3 16分→【4 13分→【見直し】 5

入試対策(学習ポイント・入試本番までのスケジュール)

■学習プラン(高2~高3夏)

 解答に必要な知識は教科書の範囲内に限られているため、まずは教科書に載っていることを体系的に身につけたい。ただ、知識を必要とする問題より、論理的思考力を必要とする問題が多いため、論理的思考力を高めておきたい。『高校SPIRAL 情報Ⅰ(株式会社学書)』を用いて、学校の授業と並行して予習・復習し、学校の傍用問題集を用いて学習済みの範囲を復習すると良いだろう。

■学習プラン(高3夏以降~入試直前)

 初見の問題でも解答できるように、いろいろなタイプの問題に触れると良いだろう。『マーク式基礎(株式会社河合出版)』の分野ごとに問題演習し、苦手な分野を重点的に復習しておきたい。入試直前では、『大学入学共通テスト実践対策問題集(株式会社旺文社)』や『共通テスト総合問題集(株式会社河合出版)』を活用し、入試形式に慣れていきたい。

出題分野(過去10年間) ※2024年度以前は「情報関係基礎」のデータ

 2025年度は、「コンピュータとプログラミング」、「情報通信ネットワークとデータの活用」に関する出題が大半を占めていた。論理的思考力を必要とする問題が多く、知識としての暗記のみでは高得点を狙えない。

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 いかがでしたでしょうか。大学入学共通テストは国公立大学受験生にとっての一次試験というだけではありません。私立大学受験生にとっても非常に有用で、共通テスト利用・併用入試制度を利用して受験パターンを組むことで、合格の可能性が大きくなります。本科目だけでなく他科目も参考にして、多くの合格を勝ち取りましょう。

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入試で必要とされる英語、数学、国語、理科、社会について全教科の受験対策を受講可能です。個別指導はもちろん、映像授業を組み合わせて合格に必要な学力を身につけます。

*志望校合格に向けた学習プラン
『大学受験に強い』フリーステップでは入塾時の学力と学習目標の達成状況を照らし合わせ、学年・時期別に学習目標を設定し、志望校合格までのプランを作成します。

*志望校別に合格までの目標を設定
入試から逆算した時期ごとの目標偏差値・作戦・狙いを確認。学年・学力別に時期ごとのやるべきことを明確にします。

 

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<文/開成教育グループ 個別指導統括本部 教育技術研究所>